2011年 釣行記

2011年05月05日
紙祖川  12:00〜16:00             ヤマメ 16〜18cm 3匹  ゴギ20cm     1匹

 仕事の忙しさと解禁からの不調でずっと足が遠のいていた今年の渓流だけど、やっと仕事の方も一段し、ゴールデンウィークで時間をもてあましたことで
「釣れなくてもいいじゃないか、今年の鮎の下見と温泉入浴をかねて出かけてみない?」
とタケさんにラブコールしてみたら、タケさんも同じような心境だったみたいでOKが出ました。釣りの方は気合いが入っていないので、自宅出発もゆっくりと久しぶりの紙祖川へと向かった。
 遡上鮎の状況も確認したいといつもの高速経由の道を取らず国道をゆっくり走り、日原へ。一年ぶりの高津川、懐かしい臭いを感じ、話は昨年の思い出と今年の期待に話がふくらむ。
 横田から匹見川へ入り、町内へとのぼっていく。拠点拠点で川を見ながらのぼっていくと匹見町へ着いたのはもうお昼になっていた。川の状態は良好。遡上鮎もたくさん見られ、今シーズンの鮎はすこぶるいいなと思われた。
 匹見町内のレストランでゆったりと昼食を食べ、紙祖川へと向かった。ゴールデンウィークまっただ中でありながら紙祖川には釣り人が見られない。
「こんなことってあるの?」
とも思ったが、それだけ今シーズンの紙祖川は不調で、他の釣り人たちも痛い目にあったのだろうことが伺われた。
「これだけ空いているのなら…よしねらいはあそこだ。」
入川しやすく、徒渉もしやすい目当てのポイントに車を進めると…
「あれ?ここだけ釣り人が?」
目当てのポイントにだけ車が止まっていて釣り人が入っていた。仕方がないので次点で考えたところに車を進める。するとこちらの方はちゃんと空いていたので駐車帯に車を止めて入川することにする。
 タケさんは上へ、僕は下の瀬へとお互いに釣りを開始する。今年の解禁当初の紙祖川の不調から期待はない。ただ竿を出せたらそれで良いというぐらいの気持ちだ。ちょんっと一番目の瀬の筋に振り込む。ここは瀬の中に大きな石があり、その石の後ろがどん深になっていてとてもおいしそうなポイント。でも餌はす〜っと流れてしまった。反応なしだ。
「やっぱりなぁ〜。」
3投ほど餌入れしてみたがやっぱりダメだ。それでもポイントには全部餌を入れるつもりで再度仕切り直し。まずは足下岸際のチャラにできた石裏。30cmほどのたまりに餌を入れるとクククン!
「ん?」
と聞き合わせをするとビビビビビンで魚が掛かった。あんまり不意なアタリだったのでアワセが十分決まってない。こりゃ危ないと思ったときにはもう針が外れてしまっていた。
「あちゃ〜。」
でも、魚がいるとわかったので少し気合いが入る。同じポイントに再度餌入れをして今度はねちっこく探りを入れた。するとググンと再度のアタリ。今度は構えていたのでがっちり針掛かり。クンクンと小気味良い手応えがあって魚が出た。ちょっとかわいいが16cmほどのヤマメだ。ボウズ覚悟だったのに早々のヤマメの登場にウキウキ。
「ヤマメちゃんいるじゃん。」

  

続いてもう一つ、今度はゴギ。
「なんでこんな小さなポイントでアタリが続くんだ?」
考えてみればさすがに今日は連休の最終日。もう当たり前のポイントは攻め尽くされて、こんな足下の小さな穴が竿抜けになっていたのかも知れない。魚を期待して瀬を釣り下っていくがやはり当たり前のポイントでは全く反応が出ない。脇の方や餌入れしにくいところでちょこんとアタリは出る。しかし、そういうところで出るアタリは食い込みが悪かったり、アワセが決まらなかったりでなかなか針掛かりしない。それでもアタリが出るだけでもありがたい。

  
「これだけアタリが出るならヤマメもおもしろいではないか。」
とは思っても、もうじきに鮎の季節に入る。ヤマメはもう今日が最後だしな少し名残惜しいがきびすを返して入渓点へ向かう。半分ほど帰ったところでタケさんが降りてきていた。聞くとヤマメは見えるが餌を食ってこないということで手にできたヤマメは一つだけだったらしい。それでも解禁当初は一匹の魚も見ることができなかった淵にヤマメが見えるというだけでもおもしろいことだ。ちょっとその淵場を見に行ってみることにする。するとほんとに何匹かのヤマメが見えた。餌を流してもさすがにだいぶかまわれた後で喰ってこようとはしない。
「ヤマメはこれからがおもしろい。」
そう思ったところで竿をたたんだ。


「温泉に行こう。」
時間はまだ早いが早々に竿をたたんで匹見温泉へ向かった

2011年03月28日
紙祖川  12:00〜16:00                             0匹

 忙しい仕事に一段落が付いた。といってもまたしばらく忙しいときが続くので、平日休暇を取って今年初の紙祖川に向かった。
 今年はあんまりにも貧果が続いている。最後の手段という感じで紙祖川釣行を決めた。
「ここで釣れなかったら今季のヤマメはあきらめだな。。」
雪の多かった今年の芸北地区、六日市から匹見へ入る峠道は残雪が心配だが、
「さすがにもう4月。道路には雪はないだろう。」
と安心していたが…。



なんと高尻川と離れ、山を登り始めるとすぐに残雪が道端に見えだした。その雪は山を登るにつれて多くなり、峠近くになると日陰では道路にまで積雪が残っている。こんなに雪が残っているのはこの道を走り始めてから初めてだ。知らずのうちにハンドルを握る腕には力が入っていた。峠のトンネルを抜けるとついに路面すら見えなくなった。



ギヤを落としてスロー走行で坂道を下る。しかしその積雪も紙祖地区の里まで来るとさすがに消えた。もっとも山肌には約30cmほどの残雪が残ってはいたのだが、、。
 今日は平日月曜日。釣り人も少ないだろうとは思ったが、実は釣り人の姿は全くない。
「これなら好きに釣れる。」
と自分の好きなポイントを下から順に全部攻めようなんて贅沢な考えを持って、まずはその一番下手へ車を止めた。
「長い釣りになる。」
とぬかりのないようにゆっくりと身支度を調えて川へ降りる。一つだけ不安なのは餌。釣行前にポイント釣り具で養殖ブドウ虫を購入してきたが、前回に引き続き、またまた売っているブドウ虫が???状態だったのである。見るからに新しい商品を仕入れたところだというのはわかったのだが、いくつか開けて中を見てみたけれど、生きて動くブドウ虫がいないのである。どうも保存用の冷蔵庫の温度設定が低すぎるみたいなので、このブドウ虫がダメだったら今度店員さんに進言しよう…と思いつつ、
「ないよりはまし、紙祖川なら必要であれば川虫を捕ることもできる。」
と悪いのを承知で購入してきたのだが…釣り場であらためて確かめてみると見事に全部死んだ状態だった。でも、低温保存なのでその体はきれいな状態なのでヤマメがいれば食いつくのもいるだろうということで釣り開始だ。



 今季初めての紙祖川。やっぱり水はきれいで川相も最高。たくさん残る残雪の雪解け水が入り、水量も最高。水温が低いからかいつもに増して透明度が高く感じられた。ところが期待の降下点上の淵にヤマメの姿は見られない。いつもなら朝一淵尻に遊びに出ているヤマメが人の気配を察してヒューと上へ泳ぎ逃げるのが何匹か見られるのにそれが全くいない。
「えっ?!もしかしてここ紙祖川も…」
今季はもうすでに2度も期待を裏切られているので、感づくのが早かった。10年ほど前には小さい放流サイズでありながらもポイントにはすべてヤマメがいるかのような魚影の濃さだった紙祖川も、もうただの鏡餅。川がいいだけで魚はいなくなってしまったのか…。淵場を一通り餌通しして、その先へと歩みを進める。つぼ、石裏、瀬の中と餌を入れて上がるが反応は皆無。この日は残念ながら曇天、水温が上がらず低すぎて魚が出てこない、餌つかないのか?とも思ったけれど、そんなことはないでしょう。雪が降って道糸が凍るほどの寒さの中でもちゃんとヤマメは釣れるのですから。時にわざとポイントをつぶして流れの中を歩いてみたけれど、逃げ惑うヤマメの姿も見られません。立ち木が覆い被さって、とても餌入れが難しい、釣り残しポイントに苦労してようやく餌を通してみたがやっぱり反応なしです。
「ここには魚がいない。」
と徒渉が難しくなるところでさっさと竿をたたんでこの釣り場を引き上げました。紙祖川もダメ。最初からダメ思考になってしまいました。ガックリです。



 車に戻り一度ウェーダーを脱いでゆっくりと車中で昼食をとります。魚はいませんが山間の渓流、自然の良さはやっぱり最高です。お天気こそは曇ってますが、先に見える山は雪が積もってステキな姿。道路端には新芽が伸び出した山草。そして聞こえる川のせせらぎ。
「まあここまで来れて、この時間を過ごせるだけでも幸せなことだ。」
などと気持ちはゆったりします。竿を出す気は萎えてしまってもう帰ろうかとも思いましたが、
「それでもたまたま魚影が薄いところで竿を出したのかも?。」
とりあえずせっかくここまで来たのだから、今度のこともあるので一通り竿を出して、もっと状況をしっかり把握しようと次のポイントに車を動かします。釣り人がいないのは魚がいないからなのかも?



 2番目も毎年竿を出すポイントです。昨年と比べると少し砂が積もって、川底が浅くなってるようです。魚は少ないともうわかっているので竿出しの準備も落ち着いたものです。竿を伸ばして餌をつけ、さっそうと一降りして餌を入れます。やっぱり反応はありません。
「やっぱりな。」
思った通りなのでしつこくポイントを攻めません。次々と狙いを変えてさっさと川を上り、徒渉が難しくなるところで無理をせず竿をたたみます。もう完全に気分は家へ向かってます。暗くなる前にあの雪の峠を越えなくては…と帰り道の方が心配になってます。
 さて、最後のポイントだ。いつも竿を出す里村のポイントの一番上まで行きます。あんまり竿を出す気になれないのでとりあえず道路上からそっと川の中をのぞいてみます。高い場所の道路からなので水のきれいな川の中は丸見えです。でも、、、魚影は確認できませんでした。
「こりゃやっぱり同じでしょう。。。もうやめよう。」
竿を出さず、ウェーダーを脱いで帰り支度だけし、車を出しました。なんと紙祖川まで来てアタリなしの丸坊主です。帰りの道は早い時間に峠越えができ心配はいりませんでした。まあ気持ちの洗濯だけはできました。 
2011年03月21日
福川川       13:30〜17:00        16cm〜18cm        3匹    

 TVでは、まだほとんどの番組が東北大震災の事を報道している。
 未曾有の大地震の被害の大きさに、僕自身の気持ちも沈んでしまっていて、気持ちよく釣りに行く気にもなれないのだが、ここのところ仕事の方もハードで、ストレスがたまりまくり、やっと解放された一日なので
「ちょっと川へ立ち込み竿を出すだけでも…」
と昼から車を走らせた。
 行き先は近場の福川川。こちらにも峠付近にはまだ残雪が少しだけあった。
 上流部からいつものポイントの里原まで下る道、やはり他の方々も震災に対しての自粛の気持ちがあるのか、週末の昼過ぎでありながら釣り人の姿があまり見えない。それでも上のポイントには数台の車が止まっていたので、もう誰かが竿を入れた後だろう。
 いつものポイントが空いていたので車を止めて身支度をする。けれど、やっぱりなんとなく気はすすまない。なんかこうやって釣りスタイルに着替え、竿を持って川へ下るのが悪いことをしているような気持ちすらする。その気持ちが動きも小さくする。
 そっと入川点の正面に立ち、竿を伸ばして仕掛けをセット。まずはこの正面からと餌のぶどう虫を出したが、
「あれれれ??」
買ったばかりのブドウ虫が動かない。
「やっぱりか…」
釣り具屋で購入する際に、「これ、死んでるやろう…」と思いつつ、置いてあるすべての容器を開けて餌の状態を見たけれど、全部同じ状態だったのであきらめてそのうちの二つを買ったのだった。「暖かい空気に触れたら仮死状態から覚めるかも知れない。」などと思ったけれど、やっぱりダメだったようだ。まあそれでも動きはしないけれど、低温度で保存されていたので体だけはきれいなので「喰うやまめもいるでしょう。」とその死んだブドウ虫を餌にして釣り続けることにする。
 残念ながら正面はびくともしません。川がいい状態なら喰ってこなくてもつぼつぼでヤマメの魚体がさらっと見えることのあるのだが、今回は魚影も全く見えない。さっさと見切って、いつも初期には何匹かのヤマメが固まっている急瀬の落ち淵まで下る。
「ここに魚がいない年はこの川はダメ。」
とこのポイントの今季を占う竿出しだ。体を低くしてそっと岩陰に立ち、餌を振り込んでみる。当然、期待は最初の第一投だ。狙いの点にうまく餌が入り、第一級の筋へと仕掛けは流れていく。ぐっと集中し、アタリが出るのを待つ。。。ゴックンと生唾まで飲んだが…反応無し。
「そんな…」
と最後まで流しきって仕掛けを回収し、もう一度。餌を入れる。やはり反応無し。まさか、まさかで落ち込み、巻き返し、駈け上がり、岸際、岩陰、石裏とすべてのポイントに餌を打ち込んだがまったくのスカ。最後に背伸びして淵の中をのぞいてみたけれど、魚影も確認できなかった。
「前回の蓼野川もスカだったがそれに引き続き福川川も今年はダメなのか。。」
竿を振るだけ、川を歩くだけと思いはしたけれど、これだけスカだとガックリ気落ちしてしまった。
 これでは上の瀬のポイントも期待できないと竿をたたみ、急瀬を上がって、再度正面の瀬に立つ。今度は丁寧に一つ一つポイントをつぶしていくが餌取りすらアタックしてくることはなく、目印が反応を示すことは全くなかった。すべてのポイントに餌を入れて、次の段へと上がっていく。一つ、また一つとポイントをつぶして上へ上へと上っていく。昨年の解禁早い時期にたくさんのヤマメが遊んでいた平瀬、ここにも魚影はない。餌を芯から瀬脇、チャラまで入れたけど反応無しであった。ここまでスカが続いたら、気持ちが落ち着きました。
「今日は釣れなくていいんだ。川に立って竿が振れればそれでいいんだ。」



と欲のない気持ちを取り戻しました。まるで釣りをしているポーズをとっているように、トントンとリズム良く竿を降り餌を打ち込む。
 最盛期に良型がアタックしてくる早瀬の石裏、早期でしかもまだ水温が低い今年のこの時期、他で喰わないのだからここにいるわけがないと思い、ポンポンと攻めていたら不意に目印が止まった。
「ん?!」
条件反射的に手首を返すとクククンと魚の感触が!思いも寄らなかった今年の初ものが針に掛かったのだった。糸は一回り太いのを張っていたので、遠慮なくためて引き抜いた。
「おほ〜〜!」



期待していなかった渓流の女王との対面に思わず顔がほころんだ。しばらくきれいな姿に見とれてしまう。大事にびくの中へ入れて餌を付け替えて釣りを続けると、同じこの早瀬であと2匹のヤマメが顔を見せてくれた。
「上にいるのかな?」



その早瀬の上にはまた初期に魚がたまるたまりや淵、トロ、段落ちがある。魚がいるかもと思うと攻め方も丁寧に、歩調も静かになる。ところがここには一匹ぐらいいるでしょうと言うようなグッドポイントでも反応はゼロです。いくら先行者がいたとしてもこれだけきれいに魚をさらえるはずがありません。やはり魚影が薄いのは薄いのでしょう。ここまで攻めたら、もう夕日が山陰に傾いていました。気分が乗っているなら目印が見えなくなるまで、まだ上にはいいポイントが続いているので釣り上がってもいいところなんですが、魚影も薄いし、今回は気も乗りきらないので早々に竿をたたみました。
2011年03月06日
蓼野川                13:30〜17:00             0匹 

 今年の年度末は悔しいけれど仕事がとても忙しい。待ちに待った解禁初週末なのに仕事で土曜日はサービス出勤。おまけに疲れがたまって、翌日曜日も始動したのはようやくお昼前でした。
 お天気は雨。それでも
「川に立てるだけでいい。」
と言う気持ちで東に向けて出発する。半日しか時間がないことから目指す釣り場は高速ICからすぐの蓼野川に決めた。
 久しぶりに高津へ向かうドライビング。雨の中でもやはり気持ちがいいものだ。雨量は結構まとまっているので車を高速の高架下の止めて着替え、身支度をする。そうして狙い目の第一ポイントの堰堤下に土手から下っていく。ここは当然他の釣り人たちにとっても第一ポイントであるがその落ち込みは大きく、毎年ここに来たら何回かのアタリが見られ、釣果もいくつかあるのでまずは行きがけの駄賃と言うところだ。
 久しぶりの川歩き、土手の崖を下る足取りがおぼつかない。遠回りでもできるだけ足場のいい道筋を選んでゆっくり確かに河原に降りる。今シーズンの最初の竿降り、できることならアタリを見たいので慎重に足場を取ってできるだけ人影を水面に落とさないように水際から遠ざかって竿を延ばし仕掛けをつける。ポイントをのぞいてみるとどうもつぼに砂がたまって浅くなっているような感じがする。それでも、ずっと降っている雨の影響で十分に水量がある。
 最初から一番いい筋に餌を降り込む。ところが…シ〜ン、反応無し。。。
「ええっ?アタリがないの?」
それではこの筋はどうだ?ここは?…全く魚の反応がありません。徐々に足場を前に取り、岸際、岩回りときわどいところを狙いにするが全く反応はありません。攻められて魚が出てこないのか??まともなところは全部餌を入れて、全く反応がないので、仕方なしに竿抜けポイントまで餌を振り込みます。ポイントの上にボサがかかっているポイントに振り込む時に仕掛けをボサに引っかけてしまいました。はずそうとしてもはずれません。仕方がないのでひっぱって仕掛けを切ります。久しぶりの渓流釣り。ポカをやってしまいました。このとき仕掛けを取り替えるためにベストのチャックを開けて仕掛けケースを取り出したのですが、その後、チャックを閉め忘れてしまったのです。それに気づかず次々にポイントを攻めて、さらに下の段々まで餌を入れたけれど、ここでは全くの反応なし。それどころかヤマメの魚影すら見ることはできませんでした。いくら川に立てるだけでいいと思ってても解禁当初に全く魚の反応がないとはせいがありません。ちょっと落胆して次のポイントへの移動を決意します。
 ぐっと下へ下るので一旦土手上に上ります。雨でぬかるんだ泥に足をかけ、つるや木の幹をつかんでやっとこさ上まで上がったときにポケットのチャックが開いているのに気がつきました。
「あっ!」
気がついたときはすでに遅し、そう、仕掛けケースがないのです。
「お・と・し・た。。。」
どこで落としたか全く思い当たるところはありませんが川の水に落としたのならばすでに川下へ流されて消えてしまっているでしょう。やっとこさ上ってきた崖をもう一度降りるのは骨が折れます。
「あ〜あ」
と気を落としながらももう一度来た道を川まで降りてみました。けれど…仕掛けケースは見あたりませんでした。やはり水にポチャンしてしまったのでしょう。あきらめて再度崖を這い上り、次のポイントへ。ほんの少しだけ別のポケットに予備の仕掛けを入れていたのでなんとか釣りは続行できます。
 しかし…次の大きな淵場へ続く段々の落ち込みすらも魚の姿は見えません。当然のように餌を入れても全く魚が餌を食う気配はありません。連続で2カ所も無反応では、もう釣れる気がしなくなってしまいました。
「…やめようか。」
もう川に立ち、竿を振るということだけはできたので雨の中、そんな気分になりましたが、もう一カ所、大きなポイントがありますので、気を奮い立たせてそこまで足を伸ばしました。
 しかし…、次のポイントも全くの無反応です。
「いったいどうなってるの??」
何が悪くてここまで不漁なのかわけがわかりません。しかし餌を入れても入れても無反応なのです。餌を点検しても全く餌は傷んでいません。魚につつかれた様子は皆無です。一通り全部の魚のいそうなポイントに餌を入れて川を上がりました。
 初釣りはボウズです。


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