2008年 釣行記

2008年12月20日

大竹 宮島沖の筏                    7:00〜14:30   29cm〜38cm 4匹

 飛び石連休。しかし好天は土曜日だけと言うことで前日早く寝て、がんばって早起きし大竹へ向かう。
 コンビニで朝食・昼食用にパンを購入、高速道路を一路東進。早朝のドライブは車も少なく快適だ。途中トイレに休憩所に停まり約2時間でショップアクアへ到着です。電話もせずに飛び込み申し込みなので店長のヒロトさんに挨拶して了解を受けて一安心。状況を聞き、本日の餌を調達する。
 ここアクアは宮島、阿多田島、柱島方面への磯、筏渡しの発進連絡場所であるが、お店には磯釣り、筏釣りに必要な釣具や釣り餌を一通りそろえてくれており、また、値段もそこそこ普通の釣具屋さんと同じなので釣行直前にそのときの状況に応じた餌や釣り具を調達できてじつに都合がいい。
 本日あがる筏は水深が約15,6mということで攻め方はいつものスタイルでよしと判断し、団子はいつものマルキューの紀州マッハ攻め深場をベースにアミ・あらびきさなぎ・そして押し麦のセットを選択。お店前にあるプラ舟で混ぜ合わせる。付け餌はこの時期なので沖アミだけで十分と判断。ほんとは自分的にはシラサエビを使いたいのだが、さすがにここには置いていないので使えません。お店にアケミ貝が置いておるのを見つけて「アケミ、食うの?」と店長さんに聞いてみると落とし込んだりすると食うことがあるとのこと。しかし…実はこれまでにこちら地方で何度かアケミ貝で挑戦してみたことがあるのだがうまくいったためしがないのである。昔、関西にいた頃はチヌの筏釣りと言えばアケミ貝が定番で僕もアケミ貝を使った釣りが好きだし得意だったものだ。なのにあれだけ若狭・舞鶴ではよく釣れるアケミ貝なのにこちらでは全然食いが落ちるのだ。僕なりにその理由を考えたのだが、きっとこちらの海にはアケミ貝は少なく、普段チヌはアケミ貝を食してないのだろう。チヌはその付け餌の味を覚えてくれないと食いがよくないと思っている。とすればその日にチヌがアケミ貝を食ってくれるようにするためにはかなりアケミを撒かないといけない。5kg〜10kgは必要ではないか…。しかしアケミ貝はこちらは入手が難しいのでしょう。300gが700円です。(昔関西地区で購入できていたアケミ貝は1kg5〜600円これでは撒き餌にするわけにはいかない。それでももしやということがあるかもしれないので2パック(600g)ほど購入して持って行くことにした。
 出船は6時半。さて、そろそろ釣り支度をしようかとお店を出てみたら「ん〜見たことある車だな?もしや…」と車の持ち主さんの顔をのぞいてみると、やっぱり!イダ掛け師さんでした。「ありゃ〜!」ということで久々のご対面の挨拶を交わし、チヌ釣りについてひと談義です。このところチヌふかせにはまっているイダ掛け師さんは阿多田の磯へ上がると言うことでした。
 乗船場の玖波港へ行ってみてビックリです。駐車場に車が止められないほどの釣り客。渡船も2隻出ると言うことで最近は釣り番組や釣り雑誌にもよく登場し、各社開催のトーナメントにも利用されると言うことでこの渡船利用客がぐっと増えたんだなと思った。昨年まで乗せてもらっていた大きい船は阿多田へ向かうと言うことでヒロトさんの操船する小さい方の船に乗船。玖波港周りから宮島の筏へ向かう。



 同船の釣り客が全員降りて最後におろしてもらった筏は宮島筏群の中でも一番東の方になる筏だった。向かいには大竹の科学工場群の煙突が立ち並ぶ。初めての筏なので筏に対する潮流れがわからない。ヒロトさんに聞くと下りが沖向き、上りが島向ということなので西向き筏中央に釣り座を選ぶ。なんとも静かなシチュエーション。潮の流れもたるんでいて「こりゃ、ひょっとしたらどえらい釣りになるかも?」なんて期待をしながら釣り支度をする。雰囲気から型の大きいのが出そうな感触なので竿とリールは使い慣れたいつものセット。ダイワの飛竜イカダくわせ210(穂先手作り)にリールはチヌチェイサー(1.25号巻き)をセット。ハリスはサンラインのパワード1.5号を矢引、針はここは潮の流れが結構強いので付け餌が舞い上がらないように針の重さが重いオーナーのOH遠投ハヤテの10号を結ぶ。今日の潮は小潮、干潮が9時半ごろとネットで調べてきた。


 釣り開始は7時。2時間半ほどで潮変わりする釣りはこの潮変わり後、満ち上がりが本番だろうと読んで最初はあまり団子を入れず、潮止まり後に撒き餌団子を投入して狙いのポイントを作ることにする。ということで最初から付け餌の沖アミを刺し、団子の中には撒き餌の沖アミを包み込むこともせず釣りを開始する。最初の一投はやはり魚の気配も感じられずに仕掛けを回収。しかし、4,5投目ぐらいから団子から出た付け餌に少し反応が出る。「少しは餌取がいるか?」竿先に出る餌取りアタリはちゃんと竿先を押さえ込んでくれる。このことから餌取が野波瀬のようなカワハギとは違うことがわかる。餌をちゃんと口に入れる魚…なんだろう。」さらに数投目でくいっと竿先を押さえ込んで停まる。あわせを入れると軽い手応え、しかしなんだか首振りを感じる。上がってきたのは手のひら級の真鯛である。



餌取がチャリコかぁ。同じ鯛類であるチャリコは僕にとっては餌取ではない。これがいれば必ず近くにチヌがいて、同じ間隔とアタリでチヌが食ってくると思っている。そこで竿先に集中していつチヌ当たりが出ても対応できる体制で団子を入れていく。
 釣り開始30分、ツツツーと竿先を押さえ込んで止まった。すかさず竿先を天に突き上げるとガンと掛かった手応え。巻き上げるリールのハンドルの重さから魚がまずまずの型であることが伝わってくる。しかし、首振りもそんなにはなく、やりとりに緊張がいるほどの型ではない。何度かの締め込みも軽くいなして上がってきたのは30cm級のチヌだった。まだまだ団子が効いて寄りを見せたとは思えない。きっと筏近くにうろついていたチヌが夜明けの時合いで食い気が高く、上から落ちてきた餌に食気をそそられて食ってきたのであろう。団子をつついて来るような反応はなかったのに急な巻き上げでふくれあがった浮き袋に押されて口からはき出された胃の内容物に団子が含まれている。



「これだけ食い気が高いのに団子をつつかないとは…」野波瀬なら群れを寄せないとチヌは食ってきてくれない。つまりチヌが食い出すときは必ずといってよいほど団子をつつく当たりが出るのだが、ここ、宮島は当たりの出るパターンが違う。単独でうろうろしてるチヌが食ってくるのである。群れでないことはこの一匹が釣れた後、アタリは続けて出るのではなく、しばらく食いあたりが遠くなることからもわかる。それにしても釣り開始から小一時間で、もうチヌの顔を見ることができたのだ。釣果が保証されないこの時期なのに、ちゃんと坊主を逃れて釣果が上がる。この宮島筏はほんとに期待を裏切らないよい釣り場だ。
 一匹目が釣れてから魚の反応はおとなしくなった。でも団子を入れるほどにまた徐々にチャリコらしい餌をさわるアタリが竿先に出始めた。そうして1時間後、再び竿先を押さえ込んで止まるチヌ当たりが出た。これもきちんとアワセが合い、適度な重さが筏竿を引き下げてくれる。今日のこのポイント感と雰囲気から大型対応、またできるだけ近くのチヌを散らさないようにするためにチヌの引きを楽しむのではなく少し強引でも早く上まで巻き上げてチヌを捕る。ハリス1.5号はこういう強引をしても危険性を感じさせない太さだ。2匹目も30cmを少し超えるチヌ。



 今回はこれまでの宮島筏の釣りの中では型のいいチヌがそろってくる。2匹目の登場に少し群れ寄りを期待したがやはりそうではないようで、再び沈黙の時間が過ぎていく。潮の動きか完全に止まった感じになったので、付け餌を少しずらして静かな誘いを入れる戦法をとってみる。この餌の動きに誘われて2匹、3匹とチャリコが釣れてきた。その後ゴツンゴツンと餌をかじるようなアタリが竿先に現れる。さらにずらしを入れてやるとどうやら餌をくわえ込んでじっとしているような感じだ。頃合いを見てアワセを入れるとガツンと掛かった。これはこれまでの2匹に比べると少し手応えが強い。それでも強引な一気上げで巻き上げてタモで掬ったのは顔にいかつさが見られる38cmのチヌだった。



 だんだん型がよくなることから今後の展開にさらに期待が出てきた。しかし、このチヌを釣った後、潮が変わった。小潮なので流れはそんなにきつくは無いと思ったのだが、意外によく流れる。団子が割れて付け餌が出るとすすす〜と道糸が潮下へ走っていく。これでは団子割れすぐに食わせるか糸を潮に合わせて送り込んでいかないと底棚をキープできない。これまでのチヌのアタリから、そんなには活性も高くなく、魚の数も少ないと思えるのでまだチヌを寄せることを頭に入れて団子割れからあまり餌を流さずに回収し、次の団子を打つことでチヌ寄せを図る考えに出ることにした。
 ところが、潮変わり後まもなく、風が強さを増した。この風の方向がよくない。釣り座に選んだところの正面からの向かい風になってしまったのだ。真正面からの強い風なので非常に釣りづらい。これまで団子に掛かるテンションを少なくし、また手返しを早くするために道糸はたぐり上げでやっていたのだが、糸が風にあおられてからみそうなのでリールでの巻き取りに切り替える。とは言うもののこのぐらいの向かい風はこれまでの釣り経験でも多々あり、そんなに対処できないわけではない。気にせず釣りを続ける。
 しかし、この潮変わりから魚の反応が極端に鈍くなってしまった。おそらく付け餌の流れる方向がこれまで魚がいたのとは反対方向に流れ、そちらにはまだ魚がいないからだろう。魚の反応を探るために少し餌を潮下へと流し込んでみる。魚の反応は少なく、付け餌がそのまま上がってきてしまう。餌取りの状況も探るため、アケミ貝をむき身にして送り込んでも見るがこちらは何度送り込んでいっても全くの無反応。むき身の付け餌がそのまま上がってくるのだ。やはり、味を知らないここの魚にアケミ貝は役に立たないとアケミ貝を使うのは見切った。沖アミならいくぶん餌をいらう感触が感じられる。ここでアジが回ってきたのか20cmを超えるなかなかいいアジが2匹きた。お土産には喜ばれるアジだがこの大きさではフラシの網の目から抜け出てしまうのでキープできない。フラシの中に入れておいたがいつの間にか姿が消えていた。
 何投目か…じっっくりじっくり送り込んだところでモゾモゾという餌さわりが出た。そこでそ〜っと竿を潮上に動かして糸を張ってアタリを聴くとす〜っと2cmほど押さえ込んだ。ここでアワセを入れると掛かるには掛かったが頼りない掛かり方だ。あまり引き上げテンションを与えずに巻き上げると少し小さいチヌだった。網で掬って口元を見るとなんと上唇の皮一枚に掛かっていた。ちょっと引っ張ったら皮が切れた。よくばれずに上まで上がってきたことだ。これでやり方によってはチヌが釣れると一安堵。



 ところがさらに潮が速くなり、さらに向かい風が強くなり、潮が押されるのか糸が筏の下へ入り込むようになってしまった。こうなってしまうと全くアタリもなくなり、餌もとられなくなってしまった。
 ここで一思案。このまま釣りづらい筏の下を我慢して釣るのかそれとも思い切って筏の反対側へ釣り座を変えるのか…。遠くから昼を告げるサイレンが聞こえてきた。12時…迎えは2時40分と船頭さんから聞いたので釣時間はあと2時間はある。変わるのなら判断を早くし、思い切って移動しなくては…。筏の長さは20mはあるので反対側へ移動するのは一苦労である。竹組の筏の上を道具運搬で何度か往復しなくてはいけない。一度手ぶらで反対側へ行ってみて様子見をする。竹組は間隔が広くなく、筏釣りが長い自分にはこの程度の筏渡りはなんてことはない。反対側へ行ってみたら風下になる筏下は風が当たらずベタな状態で潮もうまく筏から沖へと流れている。なんとも釣りやすそうないい感じだ。元の釣り座に戻ると相変わらず潮は筏下へと入り込み、竿袋が後ろへ押されてしまうくらいまともに向かい風が当たっている。
「よし。今日は見切りをして移動するぞ!」
そうと決まればできるだけ早く移動した方がいい。一通り広げた釣り道具、バランスを崩したときのために軽く手に持てるだけ持って移動を開始する。往復4回。これで残った道具は竿と竿かけとタモ網だけになった。これまでチヌが数匹釣れたので少し後ろ髪を引かれる思いを残して釣り座を後にする。ところがこの最後の移動、渡りきって移動を終えて気がゆるんだのか釣り座のベニヤに着いた途端、少しバランスを崩してふらっとよろめいてしまった。おっとっとっと足を踏み変えたそのとき、バリン?!なんとその足をおろしたベニヤは真ん中で折れていたのだ。底に足をおろしたものだからバスンと足は海を踏んでしまった。ドタン!と大きな音を立て道具を持ったまま体が倒れてしまった。たまたま倒れた体はベニヤと筏組の竹の間にスポッとはまり込んで止まったのでバシャンと海にはまらないですんだ。釣りバカはこんな時でも無意識のうちに竿を上に掲げるものである(笑)。道具も無事だった。濡れたのは突っ込んだ右足と飛んでしまった帽子だけですんだ。ヨイショっと竹組にはまり込んだ体を抜いてベニヤの上に這い上がった。ふう〜と体の力が抜ける。ラッキーなことに体のどこにもけがもなく、道具も無事。
「しかし…今の衝撃で魚が逃げてしまったのではないかな。。。」
 けれど、さすがにもう一度道具を持って元の場所に戻る気合いはない。落ち着きを取り戻してからさっさと道具立てをし、後半戦の釣り開始だ。残りの時間も少ないので最初にたくさんの撒き餌を入れて釣り座作りをする。まずは残っているアケミ貝を割ってポイントに投入。高いお金を払って買ったアケミ貝だがどうせあまり食い気を見せてはくれないと全部貝を割って足下に投入する。さらに沖アミもくだいて団子の中に包み込んで5つ6っつ。これで残っていた団子も全部無くなったのでもうワンセット団子を作る。準備が整っていざ釣り再開。っと椅子に座って団子を入れて気がついた。釣り座に選んだすぐ横は二つの筏のつなぎあたりだったのだが、このつなぎ目が風にあおられ波で上下に動くと筏が隣の筏とぶつかり合ってがったんんがったんと大きな音を立てている。その衝撃は座っている体にがっくんがっくんと大きく響くほどである。筏から落ちかかって気が動転していてこの状況が把握できていず、今になってようやく気づいたのであった。この音、この振動はきっと海の底にも響いているだろう…チヌは恐れてこのそばからは離れてしまっているに違いない。しかし、、、もうすでにポイント作りに撒き餌を投入した後だ。継ぎ目から少し離れた筏の端側にも釣り座はとれたのだが、あちこち撒き餌をばらまくことにもなるので半分あきらめ気分でそのままそこでやることにした。
 足下に団子打ちをし、団子から抜け出た刺し餌は潮に乗せて沖へと送り込んでいく。風も潮も状況的にはばっちりで、送り込みもきれいに決まる。しかしながらやっぱり魚信がない。いくら団子の投入を繰り返しても団子に魚がさわる感触は全くなく、従ってどうしても団子割れが遅くなってしまう。テンションをかけて半分強制的に団子を割っている感じだ。また、送り込む付け餌の沖アミも魚は全くさわらず、ぐんぐん送り込んでも全く反応は出ない。あまりに反応が出ないのでうまく付け餌が底を伝って行ってるかどうか不安になってしまうくらいだ。それでもあきらめはしない。残り時間いっぱい、迎えの船が来る最後の最後までチヌの気配を伺う気持ちで団子を入れ続ける。
 そうして時間は14時を回ってしまった。もし、筏のぶつかり音にもチヌが慣れて、気にしなくなってるのなら撒き餌が効いてきててもいい頃なのだが、、、と思い、さらに慎重に竿先をにらみ気配を伺う。と、ここで送り込んだ沖アミを少しだけ触る感じが竿先に出た。そのまま自然さをキープして食い込みを待ったが残念ながら食い込まなかった。針を巻き上げてみたら沖アミの頭だけをとっていた。やはり少しは団子の撒き餌につられて魚が寄ってきているようだ。魚の気配があったところを中心に餌を送り込んで誘いをかけ探ってみるが食い込み当たりは出ない。それでもほんの少し餌には反応は出る。そのうち反応は団子割れの箇所に近づいてきた。相変わらず団子には全く触らないが、餌を団子から抜くとしばらく立って餌をいらう感じが竿先に出るようになった。
「よ〜しなんとか一匹出すぞ!」
と意気込んで団子が底に着いたところで竿先を見る目に力が入る。熱い視線は筏竿の先に集中。
「しかし、ぼちぼち道具を片付けないといけない時間だよね。」
ふと視界に何か入ったような気がしてふと前方を見ると
「えっ?!」
なんと目の前に迎えの渡船が近づいてきてるではないか。いつもなら納竿時間が近くなったら船が来る方向へは注意を注ぎ、船影が見えたらさっさと道具を片付けに入るのだが、なんとも…初めての筏ということもあって船影がどこから見えてくるのかの見当を外してしまっていたようだ。それに魚の反応が出だしていたので竿先に注意は注がれていて、また予定時刻より少し早く船が来たのが重なっての失敗だった。あわてて道具をまとめて船に投げ込み、渡船に飛び乗って(それでもだいぶ船頭さんを待たせてしまった。…スミマセン^^; )
 道具の片付けは船の中で行った。帰りの釣り人の回収の時、ほかの方の釣果を見たが、かなりいい型、数のチヌをあげておられた。「やはり上手に状況を見てうまく釣れば、もっといい釣果が出るんだな」常連の方は上手だなと感心した。
 岸に上がってアクアへ移動。ここに集まっての反省会がまた楽しいものだ。この日はチヌはかなりうわずり加減であったみたいで筏上から浮きふかせ釣りをされた方は良型を15枚もあげたらしい。そうしてイダ掛け師さんとも再見しおのおのの釣況を話し合った。イダ掛け師さんは降ろしてもらった渡し場の状況が今ひとつだったので磯を渡り歩き、ポイントを変えて、さらに潮の状況を読みながらいろんな釣り方で攻めて潮止まり前後になんとか3っつあげたということだった。さすがもうすでに常連化するほど通っているだけあって焦りを見せないするどい釣りをされたものだと感心しました。
「今シーズン中にもう一度は来るぞ!」
後半戦、思うような釣りができなかった事に思いを残し帰路についた。でも、ほんとうはこの12月の時期で、30cm級が4枚も釣れた。それだけで十分以上にうれしいことなのだ。ちゃんとチヌの魚信を手に感じることができ、お土産まで持って帰れたのだから万々歳なのである。ここ宮島の筏は毎回期待を裏切ることのないすばらしい釣り場なのである。

2008年11月09日

野波瀬釣りデッキ            12:00〜17:00    25cm、27cm          2匹

 鮎の竿を置いて一ヶ月。そろそろまた釣りの虫が騒ぎ出した。
「久しぶりに野波瀬でチヌを狙ってみるか。」
ということで釣行することに決めた。
 しかしながらその気になったのは、朝、目が覚めてから。道具を点検、準備して、餌が買える釣具屋が開いてから餌を買って筏へ向かうのだからゆっくりしたものだ。まあ今季の初釣りなので釣果はあまり期待してない。「筏に乗って海の上で筏釣りの雰囲気を味わうだけでよい。」という気楽な感じだ。
 ポイント山口店へ寄り、餌を購入。この時期だから刺し餌のメインはシラサエビでいこうと決める。団子は…やはり思うような団子が作りやすいマルキューの紀州マッハ攻め深場をベースにアミ・あらびきさなぎ・そして押し麦。押し麦は釣り場で即混ぜ合わせても水戻しの必要がなく、チヌの食いがいいとされる発酵押し麦のムギパワーを配合することにした。久しぶりに会う店長さんと少し会話をして一路野波瀬漁協の事務所へ。
 到着したときはすでに11時半を過ぎていた。事務所に入って筏渡しを申し込むと12時に船を出してくれるという。前は11時の出船の後は13時出船まで便がなかったのだが改善されたようだ。同じ船で筏へ上がるという方がもう一方おられた。12時出港。
「さて、どこの筏へ上がろうか…」
船頭に聞かれたが日曜日の昼の筏上がりである。場所も限られるだろうから筏群へ行ってみて決めることにする。ところがこのよく釣れる時期の日曜日でありながら釣り客が少ない。あっちもこっちもチヌポイントが空いている。



 そこで先客が2名上がっていたが2番筏に上げてもらうことにした。この筏の一番ポイントの岸向きの角が空いている。先客さんに声を掛けてその場所に座る。久しぶりの筏釣りなので道具のセットも頭にピンとこない。
「まぁ、あせることもない。」
と竿掛け、団子桶、座の位置等々一つ一つゆっくりとセットしていく。竿は手持ち1本。一番扱いにも慣れ、信頼を置いているダイワの飛竜イカダくわせ210(穂先手作り)を選んでリールはチヌチェイサー(1.25号巻き)をセットする。釣れないとは思いながらもひょんな大型がきても後悔しないようにハリスはサンラインのパワード1.5号を矢引に取り、針は付け餌のモエビに合わせてオーナーの競技チヌ2号を結ぶ。最初に団子の中にモエビを5,6匹包み込んでポイントに決めたところに6個ほど投入し、手洗いバケツ、タモ網をセットし、小道具入れ、ゴミのナイロン袋など座椅子のクーラーの周りを整理する。気持ちに焦りがないので余裕を持って準備を終えることができた。



 さて、あらためて釣り座に座り、いよいよ付け餌を針につけて釣り開始だ。団子にはつねにモエビを3匹程度包み込むので団子桶には掬い網でモエビを軽く10匹程度掬って出しておく。団子を投入しながら底の様子を探る。どうやら選んだところは底もきれいなようで根掛かりする様子はない。不思議に最初から団子に魚がアタックする感触がある。先客さんの釣っている様子からどうやら底付近にはバリが群れていて団子をつつきにきているみたいだ。このバリのおかげで団子は着底後も早い段階で割れてくれる。その感覚がとてもいいリズムで団子入れも楽しくできる。しかし、間違って団子つつきを合わせてはいけない。バリをつってしまうと針をはずすのが事だ。その際に間違って指でも指されてしまったら今回の釣りは終わってしまう。付け餌がモエビなので団子が割れてつけ餌になればバリは食ってこない。うまくバリをさけることができた。しかし、バリはさけることはできても大敵がもう一匹いる。それは餌取のカワハギだ。こいつがでごわい。団子が割れて付け餌が出たと思ったらあっというまにこいつに発見されてしまい。チョンチョンでもう餌がとられてなくなってしまう。団子を入れる。底に着く。つつかれて団子が割れる。ふわ〜っと2度ほど餌をつつかれたら餌が無くなる仕掛けを回収する。こんな忙しさがずっと続く。いくら餌を付け替えても団子が割れると瞬時に餌が無くなってしまうのだからこの作業は続ければ続けているほどなんともむなしく感じてくる。しかしながら野波瀬のイカダではこの作業に飽きてまいってしまったのではチヌに出会えることはなくなってしまう。
「それでもこの作業を続けていさえすればいつか必ずチヌが寄ってきて餌を食うのだ。」
と信じてこの作業を延々と続けることが必要なのだ。
 黙々と団子入れを続けて2時間、なんとなくチヌが底にいるような気がする。
「あれでもそろそろチヌが撒き餌の団子に寄ってきているのではないかな?」
釣れなくてもいいと言いながらも釣れるのを期待する。釣り人というものはほんと勝手なものだ。竿先に出る反応、付け餌がとられる間隔に何も変化があったわけでもない。なのに、ふっとチヌの気配がするような気がするのだ。この感覚はほんと不思議なのだが結構あたる。先客の釣り人の竿が跳ね上がる。掛かった。コクンコクンと首を振る様子から獲物はチヌだ。足の裏サイズだが確かにチヌが餌を食ってきた。続けて同型をもう一匹。「やっぱ釣れるよね〜」などと納得していたら、こちらの竿にもふいに食いあたりが出た。もそ〜もそ〜と竿先が入る。すす〜と下がって止まったところで竿を天に突き上げる。ガツン!うまく針掛かりしてくれた。手応えからこれも足の裏サイズ。型は大きくないのでせっかくの一年ぶりのチヌの感触を味わいながらゆっくりとやりとりしリールを巻き上げる。タモですくって1GETだ。「釣れなくてもいい。」と思ってイカダに来たのにチヌと出会えた。なんともラッキーである。



 この後、もう一方の先客さんに45cm級の型のいいチヌが一つ釣れてこの時合いは過ぎ去ったようだ。こちらも餌取りの合間に出た食いあたりはその後、また団子割れと同時にちびカワハギに餌をとられる状態に戻ってしまった。それからはまた淡々とリズムに乗った団子投入を続ける。もしうまくいけば、もう一度、今度はたまたま近くにいたチヌではなく、団子に寄ってきたチヌの群れが付け餌を食ってくるアタリと出会うことができるかもしれない。こんな欲を持ちながら団子も桶2杯目に入る。けれど無情にも時間は刻々と過ぎていく。まあ今回は昼からの釣り、この短時間ではここ野波瀬ではチヌの群れを寄せるには時間が短すぎる。つまり今回は寄ってこなくて当たり前と言うところなのだ。あいかわらず餌取は針にも掛からない小さいカワハギだ。団子割れと同時に付け餌のモエビをかすめ取っていくので竿先の変化もほとんど出ない。
 16時半。先客さんのお二人が筏から上がって行かれた。このときから急に付け餌の取られ方に変化が出てきた。どうやら餌取のカワハギがようやくおとなしくなってきたようだ。きっと時刻も夕方となり、周囲もだんだん暗くなったので、海の中も夕刻を迎え、付け餌が見にくくなってきたのだろう。付け餌が少しでも残るようになると餌をつつく魚も変わる。竿先にも魚が餌をくわえた感じが現れるようになった。しかし、残された時間はあとわずか、迎えの船が来るまで後15分ほどしかない。いったい何投の団子を入れることができるだろうか。



 団子が割れて付け餌が出ても餌取りのカワハギはさわってこない。まず一匹目に食いあたりを見せたのはいそべらだ。タナもポイントもはずしてないことを教えてくれた。続いて竿先を押さえ込んでチャリコが釣れてきた。チヌもいるなら食うはず。なんとか残り時間内にチヌの当たりを出したいと団子投入のピッチが上がる。さらにもう一匹チャリコを追加。「頼むチヌよ食ってこい。」願うように竿先を中止しているとクンククンの前アタリの後す〜っと竿先が押さえ込まれていく。すかさず竿を天に突くとガツンと針掛かりした。手応えは小さく型は小さい。スピーディーに巻き上げて27cmのチヌが上がった。



まだまだいるはずと魚を外すが早いか次の団子を投入したが…残念、ここで時間切れ、迎えの船が姿を見せた。結局、チヌは小型2枚だけだったが、感触は十分。もっと早くから竿を出していたら、もっと早くチヌが動き出し、おもしろい時間を長く持つことができただろう。しかし、野波瀬での筏竿でのチヌ釣りは実に2年ぶり、そして昼から竿だしでチヌの顔は見られないと思っていたにもかかわらず、首振りの感触を手にすることができてよかったよかったの釣りであった。

2008年01月04日

   大竹  玖波港沖の筏              7:00〜15:00   22cm〜35cm 6匹
      
 新年初の竿出しは宮島に決めた。
                                

 実は年末の休暇に入ったらすぐに行こうと楽しみにしていたのだが、予報より早く年末寒波が到来してしまったので出漁をやめたのだった。
 今シーズンは鮎の竿を置いてからずっとタイミングが合わない。釣りに行こうと思った週末は毎度荒れ天気。いい天気の週末には用事が入る。。この調子がずっと続いて結局この日が今シーズンの初釣りになってしまったのだった。けれど、大竹に行くには朝は3時半には起きなければならない。久々の朝早釣行と言うこともあり、前日も12時まで起きていたので起きるのに自信が持てなかったので電話で予約を入れずに現地飛び込み。どうもHPで見るところによると渡船のお世話をしてくれるアクアさんは相変わらずの人気でお客の絶える時はないようだ。もしも、お客が誰もいなくて出船しないようだったら仕方がないから帰ってこよう。。。久しぶりの釣行に忘れ物はないかと念入りに道具を点検し、高速道路を一路東へ。時間は掛かるが道中は楽ちん。高速の大竹ICを降りたらそこがアクアだ。向かいのコンビニでお弁当を調達し、朝ご飯のパンを食べながらお店が開くのを待つ。出船の時間が迫ってくる…少し不安になったが6:30。ご主人がやってきてお店はオープン。ほっと一息だ。アクアは小さな店構えではあるがほんとに必要なものがそろっている。だから釣行前に釣具屋で買い物をしなくて手ぶらで行っても釣りができるというのも魅力だ。最近の調子をご主人に聞いてびっくり!知らなかったが昨年の6月からそれまで出ていた宮島の牡蠣筏は撒き餌禁止ということで筏のチヌ釣りはできなくなったらしいのだ。なるほど、どおりで最近のWeb釣果報告を見ると昨シーズンと比べるとかなり釣果が少なくなっていたわけだ。ということで、それ以降は宮島牡蠣筏群とは違うところにコンパネを引いて筏釣りをしているらしかったのだ。

釣り場の様子がわからない…筏の下はどのぐらい?と聞くと13mという答えが返ってきた。13mかぁ…いつもよりだいぶ浅い水深にベースを「紀州マッハ」にしようかそれともいつも使っている「紀州マッハ・攻め深場」にしようかと迷ったが、沈降速度が速い「紀州マッハ・攻め深場」を選択した。これに集魚役として「マルキュー荒びきさなぎ」と「チヌパワー麦」を加えて団子はOK。次は生餌だ。事前に電話をしておけば必要な冷凍餌は前もって解凍してくださるのだが飛び込みなのでそうはいかない。団子ミックス用にアミエビ1/16角を2つ、刺し餌用にオキアミLL生1/16角とそれが解けるまでに使う「くわせオキアミスペシャル」を購入して準備OK!店に置いてあるプラ舟を使わせてもらって混ぜる。さて、それでは船着き場へと思ったときにふとあるものが目にとまった。それは帽子に装着する老眼鏡(笑)。「これは便利かも!」とこれも購入した。全くかゆいところに手が届く?という商品をそろえているお店だ。

 玖波港に集合し舟に乗船。今日は筏釣りは7人。船頭さんの割り振りで、僕と同じ筏には3人乗ることになった。筏は玖波港からものの5分。港の沖500mというところだろうか。すぐについた。(潮はどっちに流れるのだろう…)宮島の筏の場合、潮の流れがすごく速く、座る位置がとっても重要だ。同乗した方に「潮はどっちに流れるんでしょうか?」と聞いてみたがみなさん「わからない」との返事。なので筏中央、下船した板をポイントにした。

この日は若潮で潮の流れは弱く、しかもこの筏はかなり岸寄りで潮の芯の流れからはずれているので潮が巻き、どっちに流れるか一定しない。また、宮島筏ほど潮流れが速くなく、そんなには気にしないでいいと言うことが後でわかった。道具をセット、ここ2シーズン、筏釣りから遠ざかっているのに体は覚えているものだ。特に頭で考えなくても自然に手際よく事が進む。さて、問題のリール糸のガイド通し。目が遠くなって、これが一番つらい作業だ。でも、今回はさきほど手に入れた秘密兵器がある。ひょとんとレンズを倒してやってみるとよしよし簡単にできた。サルカンへの糸通しや針とハリスの結びつけはこれまた手慣れた感覚とまたチヌの仕掛けは渓流や鮎のようにゼロコンマの世界ではないからまだ見える。最初に撒き餌に団子をいくつか投入しようかとも思ったが、潮の流れゆきも底の状態もわからないのでやめた。

さて、第一投。底の状態はどうか?潮の流れは?魚はいるのかな?状況を知るためのアンテナの第一投だ。13mはここ最近釣ったことのない浅さだ。少し団子の握りが強すぎたようだ。なかなか割れないので餌を抜いてつけ直しだ。潮の流れはほとんどない。底はなんか少しでこぼこしている感じ、きっと底にはたくさんの蛎殻がころがっているのだろう。今度は軽く握って入れ直す。着底まではストレスを感じない時間。浅いとこれほどまでに団子投入が楽なのかと思う。今度は団子割れもスムーズだ。さて…餌取は、、、っとコンコンっと竿先をたたく。(ん?これって本命?)…続いてスー・・・スー(およよ?これでスーッと入って止まったら合わせるよ?)と…これが本当に止まってしまった。アタリに対する反応も体が勝手に反応する。ガツン!空に突き上げた竿が止まる。(掛かった?でも、まさかチヌじゃないでしょ?)結構な手応え、巻き上げるのにクインクインと首を振る。まさにチヌの引きだ。かなり上まであげてふと我に返る。はて、ハリス1.5号はどのぐらいのテンションまで耐えるのだっけ?こういうのは頭で考えてしまうとぎくしゃくしてしまうものだ。つい手加減をして相手に先手を打たせてしまう。グイーンと走るやつにスプールの糸を親指圧をゆるめて糸出しする。(こんなことやってたらバラスでしょ。)テンポを取り戻して巻き上げ、魚は上に浮いてきた。「あっ!しまった。まだタモを組んでないじゃん。」あわてて上に浮いた魚に適当にテンションを合わせて椅子から立ち、竿袋のファスナーを開けて網を組み立てる。そんな僕を見ていて危なっかしいのでついに隣の方が網を持ってヘルプに来てくださった。ということで一件落着、無事にタモに収まった。「いい型のがあがったな。」「これで今日は坊主じゃない、もう帰ってもいいですよ。ありがとうございます。」と会話を交わしお礼を言った。言った事は冗談じゃない。1月という寒期、ほかの釣り場だったら顔が見られたらもうけものの冬の筏釣りだ。チヌの顔を見られてほんとうにうれしい。まして1年ぶりの竿出しなのだから。でも、餌を入れてすぐにもういいと言うわけにはいかない。さらに、ここ大竹の筏はほかとは違って冬の厳寒期も…とにかく一年を通して2桁の安定した釣果があがるところなのだ。今日一日の釣りがとても見通し明るい。


釣れたチヌをビクに入れて、今度はちゃんとタモ網も組み立てて、さあ次の一投だ。(へ??団子をつついてる??)すっと団子が割れて…おっとっと!これがまた連続のチヌアタリだ。信じられないけれどほんとのこと。きっと朝の時合いに筏下に居着いているチヌが食気を増して餌に飛びついてきてるのだろう。2度目となると今度は頭で考えてしまう。あわせのタイミングをじっくり待ち、グンと合わせる。掛かった!これまたいい型だ。けれど、頭で考えたぶん、自然対処ではない。あわせのタイミングが遅れ、また合わせもハリス切れをおそれて少しゆるめになってしまった。(ん〜〜ばれてくれるなよ。。)と思ったがやっぱり、、、、数メートルあげて首振りを2度ほどかわしたところでふっと軽くなった。ばれてしまったのだ。やっぱりチヌは生半可な相手じゃない。こちらのちょっとしたミスを見逃さない。「あちゃ〜、やっちゃった。これで底の魚がちっていなければいいけど。」やはり手加減は無用と仕切り直したのはいいが、やっぱりバラシは好調のリズムを途切れさせる。ちょっぴり反応が止まってしまった。朝一番の祭りは筏全体に広がった。僕のほかの釣り人たちの竿も次々に曲がり始めた。「これは朝一時のチャンスだ。うまく下にいるやつを拾っておこう。」きっと団子の撒き餌が効いて本格的に釣れ出すのは3時間後ぐらい。それまでどのくらい楽しめるかな。
アタリの途切れも団子を3投もすれば回復した。次に食ってくれたのがやりとりが楽しめるこの日の最長寸35cmだった。しかし、その後はだんだんと型も食うリズムも落ちてしまった。それでも30分に一匹程度の足の裏サイズのチヌが楽しませてくれる。9時半、完全ににアタリが遠のいた。どうやらこの下に付いていたチヌはいなくなったようだ。

(今度来たらそれは団子によってきたチヌだぞ。)チヌの寄りを団子の割れ方から読み取るために竿先を注視しながら団子入れを繰り返す。10時をすぎて、変化が出た。団子割れ寸前の竿先がフワフワしだす。「おや、寄ってきたかな?」その2投後にみごとに竿先を押さえ込んだ。今日はほとんど空合わせはない。ガツンと手応えがあってあがってきたのは25cm級。「よ〜〜し、本番はこれからだ!」と気合いが入る。と?なにやら左方向から舟が入ってくる。ん?こんな筏の近くを通らなくてもいいだろう。と思ってよくその舟を見るとガ〜〜〜ン!なんとその舟の後ろにワイヤーがのびている…底漁の底カキを引いているのだ。通るところは寄りによって私たち釣り人が竿を出している前方10mほどそんなところの底をかき回されたら魚がいなくなるじゃん><。釣りをしている近くには撒き餌も効き、魚が多いだろうと思う気持ちはわかるがいくら漁師でも海は広い。これまでにも近くに底カキ漁の舟が来たことはあるがさすがにある程度の距離をとって操業するものだった。それでも気分的にもチヌが散る気がしていい気分ではなかったが…どうもここにはとんでもないことをする漁師がいる。腹が立つのを通り越してあきれてしまった。「せっかく団子にチヌが寄ってきたというのに…しかし、人によってはあの底カキが舞いあげる濁りにチヌが寄ってくるとか漁船が通る後ろをチヌがついて来るという人もいる。自分の思い違いでチヌはちゃんとそのままいるのではないか。」かすかな期待を込めて団子を落とす。1投・2投・3投…全く魚の気配が無くなっている。アタリはなく刺し餌のオキアミの生がきれいにそのままであがってくる。チヌどころか餌取のカワハギやフグすらも姿を消してしまったようだ。

「こりゃいかん。やっぱり釣りにならん。。チヌが散ったのだったら早くても2時間、だぶん3,4時間は次の寄りを期待できないだろう…」やっても無駄とポイントに10個ほどオキアミを包んだ大きい団子を入れておいて一服することにする。板に寝ころんでしばし休憩。そして少し早い昼食も食べた。小一時間の休憩。その間、同じ筏に乗り合わせたお二人の釣り人、お一人の方は大変好調でこの底引き漁船が通るまでコンスタントに竿を曲げておられた方もやはり全く魚の気配がなさそうだ。自分も団子を入れてみるがやはり、団子にも反応はなく、刺し餌のオキアミの生も無傷で帰ってくる。この状況はそのまま1時間続いた。「やはりダメだ。ポイントを変わりたい…。」しかし筏釣りの場合は自分ではどうしようも動けない。渡船は当然のように納竿まで姿を見せてはくれない。せめて筏の反対側に場所移りしたいところだけれど、乗った筏は反対側が沈み筏になっており反対側を向くことはできない。つまり手詰まり、どうしようもないのだ。この日の引き潮時は13:30分。最後の期待はこの潮変わり。時間がたち警戒心が少し薄くなったところで潮が変わって団子効果が今まで及ばなかった方へ撒き餌として広がる。この最後の期待にかけてあきらめずに団子打ちを続ける。
                             
13:00、隣の釣り人がアワセを入れた。空針ではあるが(魚の反応が出たのかな?)そう思うとこちらの方も少し気持ちが持ち返す。刺し餌はずっと針についているので上へ潮下へと竿を操作して誘いを入れてみる。そうやって何投かしたとき、上へのゆっくりの誘い上げにクリンクリンと竿先をふるわせるアタリが出た。タイミングを計って合わせてみたら魚が掛かった。少し手応えはあるが首は振らない。チヌではない。「何だろう?」とにかくひさ〜しぶりの魚だ。顔だけは絶対見る。と大事にあげた。あがってきたのは25cmほどのカレイだった。その後、僕のところはまた音沙汰なしが続いたが、先ほどアワセを入れられたお隣の方はアタリがあるらしい。時折アワセを入れている。なかなか合わないみたいだが何匹かフグがあがってきていた。雑魚でも餌取りが動き出したのだなと思った瞬間。その方のアワセを入れた竿が止まった。だいぶ手応えが良さそうな感じ、何度かの締め込みをかわしてあがってきたのは35cm級のチヌだった。(おおお〜釣れた、釣れた!やっとチヌが食い気を出しだしたか。)時間は13:30を過ぎていた。実に底挽き船が通って3時間だ。元々この筏はチヌがいるポイントだ。釣れなかったのは底引き網漁船が通ったからなのだ。だから、チヌの警戒心がとれ、食い気を出してくれたなら釣れるはずなのだ。竿先を見つめる目に力が入る。すると団子割れとともに少しではあるが魚の気配を感じる。(おっ、いよいよこちらにも魚が帰ってきたかな?)けれど、餌を見てみるとどうもチヌではなく餌取のようだ。それでも魚が相手をしてくれるだけまだやりがいがある。その後ちょんちょん当たるアタリを合わせて3匹ほどフグを釣り上げた。(残り時間はあと少し、チヌが寄ってきてくれないかなぁ〜)そう思ったとき、餌がまだ針に残ってる感じだったので潮下へと流してみた。するとツツツーっと竿先を押さえ込んだ。チヌ?!っと竿を突き上げる。グン!乗ってきた。手応えは少々軽いが確かにチヌだ首を振りながらあがってくる。うまくバラさずに上まであげたのは27cm級のチヌ。うを〜〜半分あきらめていたのにもう一つ釣ることができた☆チヌ、寄ってきてくれたのかな?でも、まだ寄りはしていなかったようだ。これ一匹だけで次のアタリはでない。迎えの舟の時間は15時。後かたづけの時間を考えると残りあと30分。…夕方の5時まで釣ることができたら…この調子なら夕方までやれば必ずチヌは寄りを見せる。しかしながら夕方の時合い前には筏をあがらなくてはならない。その後、少しでもチヌの寄りが見られないかと気合いを入れて30分団子を入れたが確かに時間とともに魚の反応はよくなってはきたがチヌの顔を見ることはできなかった。結果22cm〜35cmが6匹だった。今シーズン初・そして今年の初釣りで釣果が見られて大変うれしい。しかし、半日以上の時間が1隻の底引き網漁船でつぶされ釣りにならなかったことはとても残念であった。





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