2014年 釣行記

2014年11月29日
野波瀬 釣りデッキ      12:00〜17:00   32cm〜38cm  2匹 

 先週の玖波での釣りが非常にストレスのたまる釣りだったので、早速野波瀬へ繰り出した。しかし、出発はのんびりすぎて野波瀬漁協到着は11時を過ぎていた。
「やばい。。昼前に筏へ上がれるかな。」
いつも事務所についててくれる船頭さんも漁協の職員さんですから昼食はとられます。11時の船が終わったら釣り人がいなければ昼食にお出かけになられるので事務所はお留守になり、次の出船は1時になってしまいます。でも、この日はちょうど11時過ぎに他に2名の釣り人がいらっしゃって11時半の船を出してもらえることになり「よかった。よかった。」です。
 これが野波瀬釣りデッキの良さですよね。釣りデッキへの送迎は朝は夜明けから1時間おき(釣り人の多いときは30分おき)に出てくれるので自分時計で出漁できる。

☆青海島によって囲まれた仙崎湾内にあるので少々の荒れ天気でも波は比較的低く出漁できる機会が多い。
  (なので、外海が荒れて出船できないときなどは磯上がりができない釣り人が回ってきてることも多い。)
☆釣りデッキ(筏)は総板貼りでトイレ付き、渡し船も養殖操業船と大型なので安定しているので子ども連れ・家族連れでも危なさが少ない。
  (無料貸し出し救命胴着有り)
☆船頭は常に事務所に待機してくれているのでもしもの時でも電話すれば対応してくれ、
  船便も1時間に一本あるので自分の釣行予定を変更して早く帰ろうということもできる。
  (朝も自分の都合のいいときに出漁できる。)
☆渡船料が比較的安い。(2100円・・・・渡船券10枚で1回無料のサービス)
☆筏周辺には各種魚礁が沈められていて、魚種が多く、ちゃんと狙えばいろんな釣り
  (磯型・船型・堤防型・筏型・ルアー型)が可能。

  

 さて、筏へ行ってみると不思議と釣り人が少なく、ぱっと見、チヌ釣りの人がいない。ということで釣り易い2番筏に降ろしてもらう。
 風が西なので港向きに釣り座をセット。到着が遅かったので時合いは夕方と見極め丁寧に団子を打ってポイントを作っていく。すぐに餌取りの反応が出だしたが、2番南向きは魚礁から少し離れたところとなるのであまり魚は多くないようで餌取りも小さくハリに乗るような感じはない。
「アタリが出るのはまだまだ先。」
と悠長に構えていると1時間ほどして
「おやおや?」
なんとなく魚がいる感じ。ちょっと丁寧につけ餌をつけて構えると、見事にチヌアタリが竿先に出た。
「おっと!」
ガンっと竿を突き上げるとクンっと重みを感じたが5mも巻き上げたところでバレてしまった。実は前回、せっかくお気に入りの竿先となったのに、納竿寸前、迎えの船が来たので急いで仕掛けを上げたときに小フグが掛かり、勢い巻きすぎて竿先に巻き込み竿先を折ってしまったのです。それで仕方なく控えの1.8mの竿を出したのですが、水深の深い釣り場だと1.8mの長さでは十分に針掛けが効かない感じなのです。それでアワセが十分効いてなかったのでしょう。
「おるんかいな。」
ポイント周辺に居付きがいた事を察知。アタリ取りにかかります。餌取りがほんの小さいジャコなおかげでチヌアタリが取りやすい。数投素針を引いた後でスーと穂先が突っ込んで止まりました。さっきのバラシを意識してより強烈なアワセを喰らわすとガツン☆グリンっと魚体がひるがえった感触。
「こりゃ大きくないな。」
針掛かりさえちゃんとしていれば糸のテンションをなくさなければ大丈夫。クイクイッっとポンピングを入れて魚を浮かせてタモの中へ。居付きらしい黒っぽく厳つい顔でタモに収まったのは38cmのチヌ。

  

「へえ〜まだこういう遊びチヌがいるんだ。野波瀬は秋が残ってるね。もう何匹かいてくれたらいいのにな。」
と期待を込めて急いで魚をフラシに納め、団子の投入。すると2投後、今度は団子が割れて餌が飛び出すと同時にキューっと穂先をひったくるようなアタリ。
「なんだ・なんだ?なんだ〜?」
エイッと竿を立ててアワセを入れるとグンと突っ込む。下へ下へと力強く引き込むのはチヌとは違うらしい。突っ込む重い引きを耐えて半場強引にリールを巻いて浮かせたのはなんと尾長グレ。
「はえ〜!こんなん来るんかいな。」
2番南向きは少し浅くなってると言っても水深は18mほど。その底でグレが食ってくるとは・・・。こんな経験は初めてだ。」



「なんかおもしろい釣りになりそうやな。」
グレだから続けて遊んでくれるかと思ったのだが、残念ながらその後は静かになってしまった。まぁ狙いの時合いは夕方と決め込んでいたので、予定通りにせっせせっせと団子を入れてその時のためにポイント作りをしていく。
 2時間を過ぎた頃から激しく団子へのアタックが現れ始めた。
「どうやらボラが寄ってきたようだな。。」
かなり水温も下がってきてるだろうと思ったのに野波瀬の底はまだまだ活気があるようだ。なんて、のんびり言ってる場合じゃない。団子へのアタックの強さが尋常じゃありません。
「いったいどんなボラが寄ってるんじゃい。」
ボラ寄りの時は気が許せない。ボラの群れの回りにはチヌの群れが待機している場合が多く、時折合間にチヌが食ってくることがあるからだ。合わせタイミングを団子割れ後に絞って構えているとスーーっと穂先が入った。合わせるとゴチン☆グイーーンで重みが乗る。
「こりゃ・・・ボラや〜」
あまり底で暴れさせると魚が散り、ポイントが荒れるとあまり時間は掛かるがあまり引っ張らないようにして時間を掛け徐々に浮かし、中層まで浮いたら今度は一気に力で巻き上げる。それでも水面近くまで浮いたら耐えきれず2度3度の糸出しを余儀なくされ、一苦労の末やっとタモの中に入れた。これが45cmのたも枠から尾びれが出るデカバン。

  

「こんなでっかいのが底で沸きまくってたらチヌは近寄れんやろう。」
今までよりさらにボラを避けるために糸を緩め、団子突きアタリも竿先にあまりでないようにし、団子が割れても付け餌は底にずれたままになるように調整して釣りを続ける。
「ボラが寄っているのだからチヌも食うはず。」
と小さいチヌアタリを見逃さないように集中力を高める。そうすると間に2度、食いアタリが出たのだが糸が緩んでいるだけアワセが効きにくくなりおまけに竿の長さも短いのでアワセが十分に効かず2度ともアワセバレしてしまった。最近は筏竿の短竿化が流れだがあれは水深が15mまでの浅場でしかも手持ち竿だからこそ通じるのであって自分の釣りでは「深い場所は長竿」だとわかった。・・・・早く2.1mを直さないと。そうして今度はググーーーっと竿先を引き込んでいく力強いアタリが出た。十分アワセが効くように今度は立ち上がり気味に派手に合わす。ガッツーン☆竿が止まった。
「こ、、これは・・・でかい。」
掛かった瞬間に竿が止まるのは魚がデカイ証拠。なんと全くリールが巻けない。竿尻をへそに当てて両手でグーンと竿をあおってポンピング。その分だけやっとリールが巻ける。
「か〜あ、、重い。」
だいぶ時間は掛かったがやっと上層まで浮いてきた。
「もうちょっとで姿が見える。なんとか姿を見るぞ!」
っと思った瞬間にふっと軽くなった。
「あれれ??バ・・バレた?」
ほんとにもうちょっとで魚体が見えると言うところだったのにバレてしまった。クーーーっと力が抜ける。ヘナヘナヘナと座り込んでしまった。残念。。仕掛けを見てみたが異常なし。ハリスも切れてないし針もちゃんとついている。どうして??針先に爪を立てると
「あ・・・これか。」
針先が鈍っていて爪に立たない。針建ちが完全ではなかったのかもしれない。この後は再びチヌは静かになってしまい。団子はボラが突き、針から出た餌はチビ餌取りにかすみとられるという状況が続いた。
 期待の夕方時合い。けれどなかなかボラが静かにならない。
「このまま船の迎えの時間になるか・・・・」
と思ったら16時半。やっとボラが静かになった。
「ラストチャンス!チヌよ食ってくれ〜〜」
船が来るかと焦る気持ちを抑えてじっくり待つと、、、やっとスーーと穂先を静かに押さえ込んだ。今度は仕掛けはずらしてないのでしっかりとアワセも効いた。ちょっと物足りない軽い手応えだがくいくいと小気味良いチヌの首振りを感じてやりとりし浮いてきたのは白い寄りチヌ。
「やっぱり寄ってきてるのは寄ってきてたんだな〜。」
連発で出るかと思ったけれどそれはなく迎えの船が見えたので終了。
 大型をバラしたのは悔しいけれど、先週の釣れないストレスを晴らすことができる楽しい釣行でした。

  
2014年11月23日
大竹 玖波沖の筏      7:30〜14:30   33cm  1匹 

 鮎の竿を置いて1ヶ月のインターバル。ようやく釣り意欲が再燃してきた。昨シーズンにお気に入りの穂先を折ってしまったので、先を磨き治し。筏竿の穂先はとっても先端が細く、ガイド間も短いので先が一つ二つ折れても影響ないように思うかもしれないが、たった一つ折れても調子は大きく変わる。アタリの出方も食い込み加減も全然変わってしまう。筏竿は穂先が命だ。丹念に調子を取りながら磨き上げ、ガイドを取り付け、塗装をしてやっとできあがり。「出来具合がどんなものか早く試したい・・・・。」そう思うとうずうずし、天候のいい日を選んで、大知渡船へ電話を入れた。
 「今日は浅いところをやってみるか?」
1年ぶりだからここの最近の様子もわからない。船頭さんのお勧めだから間違えないだろうとお勧めに乗る。筏は玖波港を出て5分も行かないところ。
「あっ!ここって、、、」
筏まで来て思いだした。この筏は昨シーズンに一度上げてもらったがどうも自分には合わない筏だと思ったのだった。それに昨年は目の前を底引き網漁船が往復操業し、嫌な気分にもなったのだった。悪い予感が走る。11月終わりはまだ秋が残る時期、チヌの活性もまだ残ってるだろうし、気持ちいい釣りをしたいとこの玖波を釣り場に選んだのに・・・どうなることやら・・・である。



 最初に大きめの団子を10個ほど投入して釣り座をセットする。団子のアンコは地アミとオキアミミンチ。刺し餌はオキアミオンリー。水深は15mというところか、これは玖波の筏の中では浅い。
 いつもはたいてい開始後2時間ほどで時合いがやってくる。これを目指してせっせと団子を打つ。ところがなんとなくいつもの感じがしない。魚が近くにいるような感じがしない。さて、気になる穂先の調子だが、これはすこぶるよい。自分がする完全フカセに対応して細かいアタリは穂先が吸収してくれ、ピンピンと跳ねることはない。また、団子の重みで軽くお辞儀をし、団子が割れるとすっとゆっくり穂先が上がって来る。ただし、ちょっとばかり柔らかすぎて、この深さだからGOODなわけで、いつもの30m水深だとちょっと穂先が死んでしまいそうな感じ。また、潮が走り出すとこれまた穂先が入って死んでしまうだろう。このように、釣り場の状況や釣り方によって穂先のGOODな調子は千差万別。釣り場に対応させるには数種類の違った調子が必要となるのだ。

  

 さらに時間が経って、期待した時合いの時間を迎える。しかし、不思議にチヌの気配はない。代わりに現れだしたのはでっぷりと太ったフグ。こいつらが餌取りとして居座ってしまったようだ。団子が割れると出た餌に総攻撃という感じで餌がすぐにとられてしまう。始末が悪いのは、このフグたちはハリスをかじってハリスを傷つけ、ハリスを切ってしまうことだ。針に掛かってしまって巻き上げ途中にプリプリプツンと切れるのはいい方でつつきアタリを見送って仕掛けを上げるとすでにハリスが切れているということが何度か。。
「こいつ〜。」

  

と憎たらしいけどどうしようもない。けれどあきらめず、集中力を切らすことなく、せっせせっせと餌をとられた仕掛けを上げて団子を投入し直し、切られたハリを結び直す。ハリスがかじられ、ぎざぎざになっているのなら指を滑らせて点検し、傷んでるのを見つけて結び直せばいいのだが、時にはそのするどい歯ですぱっと切り込みを入れられるときがある。これは見てもわからないし触ってもみつけられない。そして、、、それが悲劇を生むこととなった。
 第一弾の時合いがもう終わるかなという時間。お昼前になってようやく少し餌取りの活動が静かになったと思ったときである。コーンコーンと竿先が入った後スススーーと押さえ込んでいく。これこそまさにチヌの食いアタリだ。入った穂先が跳ね上がってこないのを見届けて
「エイッ!」
一気に竿を突き上げる。ガコン☆
「掛かった!」
で、竿を突き上げたままリールを巻いて竿に魚の重みを載せる。それからやりとり・・・と・・・2度ほど首を振ったと思ったところでふっと竿が軽くなる。
「アチャ〜〜、バレた???」
一定のテンションを竿に載せてないとよくおこるバレ、けれども今回はそんなことはない、うまくあしらってたはずだと思ったのだが・・・仕掛けを上げてみると、、、ハリスが切れている。
「あれれ?そんなに引っ張り合ってないよ?」
考えられることはきっとチヌを掛ける前にフグにハリスが傷つけられていた・・・それしかないでしょ・・。ようやくあった本命の魚信をバラしてしまった。当然のようにその後はチヌのアタリは消えた。そうして再びフグの餌取りとの戦い。途中2度3度竿先を軽く突っ込ませて針掛かりしたのは手のひらチャリコ。そのほかはフグがハリを飲み込んで上がって来るだけの時間が過ぎていく。
 この嫌気が差しているときにババババと大きな船のエンジン音が響いてくる。そうです、やっぱり今回も底引き網漁の漁船が沖から向かってきたのです。ああ・・・あの底で引かれた金枠がガチガチと響く音に魚は逃げていくのかな。。それとも引くことで泥が舞い上がってできた濁りを追いかけてチヌがついて行ってしまうのかな。。どっちにしてもいい事が起こりそうな感じはしない。そうして通り過ぎたと思ったら網上げゴミ洗いをした後再びUターンしてこちらの近くを横切って行ってしまった。
 これでどんどんやる気が失せて行ってしまうがその心にムチ打って攻め続ける。狙うは第二弾の時合い。これは居付きチヌではなく、入れ続けた団子にチヌが寄ってきて食う時合い。水温が低い冬期には期待はできないが、今はまだ11月末。秋チヌな感じもまだ残っているだろうことに期待して、、、。おそらくその時合いは迎えの船がやってくる終了前、、間に合うかどうかぐらいな感じだろうと読んだ。けれど、刻々と時間は過ぎていく。ポイントの感じは全然いいようにはならない。むしろ餌取りのフグもさすがに腹がいっぱいになったのかフグのアタリすらも活性のないのものになってしまった。
「あ〜あ、今年の初筏はボウズかぁ〜。それを避けるためにここを選んだのになぁ・・・。やっぱりこの筏を選んだのは間違いだった。。」
 14時。全くのチヌ気配なしにあきらめ感がわき上がる。ここを選んだただ一つのメリットは他の宮島筏と比べると最後の回収となるので迎えの時間が一番遅く一番遅くまで竿が出せること。しかし、その条件も釣れないならばただむなしい時間が長いだけとなる。
「もう竿をたたんで道具をきれいに片付けようか。。」
少し早いが手回りの道具から片付け始める。まだまだ団子は残っているので仕掛けだけは投入を続け一通りの手回り道具は全部片付け終わってしまった。
「後は船が見えたら仕掛けを上げるだけ・・・。」
残り15分で片付けも終わりすることがなくなって再び腰を落ち着けて団子を入れる。するとこれまでとかわりない餌取りのアタリにまじって節のあるアタリが出た。
「ん?まさか?」
ツツーーと穂先が入って止まったのを確認してガンと竿を突き上げる。グン☆重さが竿に乗った。
「かかった?」
ちゃんとした重みにゴンゴンと首降る手応え。まさしくチヌだ。
「おお〜〜こりゃボウズ逃れた!」
そんなに型も大きくないのでグイグイと巻き上げ魚を浮かす。
「タモをたたんでなくてよかった〜♪」
で無事にすくったのが今日一の33cm。



団子に寄ったのならアタリは続くか?と期待したけれど、やっぱりこの一匹だけ。次からはやっぱり餌取りアタリが出るだけで迎えの船が近づいてきた。まぁ、ボウズを逃れられただけよかったな。・・・けれど、この時期でこの程度の魚信ならここまでこなくても野波瀬でもおんなじじゃない?久しぶりに野波瀬に行きたくなったな。玖波のチヌが薄くなったのか、それともこの浅いポイント選びが間違っていただけなのか・・・・。

2014年02月01日
大竹 宮島沖の筏      7:30〜14:30   37cm  1匹 

 ここ一週間、好天気が続いている。気温も3月下旬並みという最高気温が15度前後。天気予報を見てみると、この好天気も残念な がらこの週末までで、来週からは再び冬らしく冷え込む天気に戻るという。ひょっとしたら今冬のシーズンではこれが最後のラッキー チャンスかも?と考え、急ぎ出漁支度をとった。 
 用意した団子は今回はいつものパターンに戻して、「紀州マッハ攻め深場」と「チヌパワー麦」、アンコは冬場でどうせ団子を食うとこ ろまで活性は出ないと読んで「アミ」と「オキアミ」だけのブレンド。 

  

「紀州マッハ攻め深場」をベースにした団子は不必要な粘りが出ないので割れは握り加減で調節がしやすい。投入した団子は盛期だ とチヌや餌取りが団子を突いて割ってくれるのだが、冬期はそれが望めず、へたに粘りを持たせるといつまでまっても団子から刺し餌 が出ないという状況に陥り、ダンゴ打ちのサイクルが乱れてしまう。 
 いつものように玖波港出船は朝の7時。冬場は夜明けが遅い。ゆっくりめの出船が朝の弱い僕にはありがたかったりする(笑)。出 船少し前に着いて着替えをするが、なんとなくおかしい。いつもならわんやわんや賑わう港に人が少ないのだ。船頭さん到着でわかっ たのはこのお天気よく週末土曜日というのになんとイカダでのチヌ狙いは僕一人だという。他におられた7人さんはお仲間で、みなさ んカレイ狙いだということ。まあ、確かにこの宮島イカダ、今季はチヌもカレイも不調ではあるようですが、それにしてもこんないいとき に釣り人が僕一人とはビックリです。(最も翌日日曜日はメンバーが集まって柱島まで遠征に出るとのことで、みなさんその時にそな えて前日の出漁は控えられたと言うこともあるのでしょう。) 
「何にも考えないでゆっくりと釣りができるなぁ。」 
とこちらの気持ちも気負いもなく楽になります。 
 降ろしてもらったのは宮島は少し東の芋島寄りにあるイカダで、周囲のイカダ群の中に位置する言うなれば普通のポイント。 

 

今回潮時はお昼前の11時過ぎが満潮の潮止まり。到着から上げ潮最中で昼過ぎは逆潮となる。前回までの釣行では今期は昼過ぎ の周囲が明るくなり、水温も上昇しだした頃、団子撒き餌も十分効いた頃にチヌが寄ってきて潮が緩んだところでつけ餌を食ってくる という感じだったのだが、潮止まりが昼前と言うことでそのパターンにははまらないなという感じ。 
 込み潮は東向きに流れるので東向きに釣り座を構えて足下に団子を10個ほど入れてから用意を済まして、釣り開始は7時半。や っぱり潮は東向きで団子割れで付け餌が出たらスンスンと道糸は斜め前に出て行く。ほったらかしてたらそのまま付け餌は舞いあげ られるだろう。最初はなんとなくガチガチとかみ砕かれる感じで餌がとられる。きっと小さな根魚がいくつかいるのだろう。これらのアタ リはリズムが崩れるので合わせることはしない。反応がなくなって餌のオキアミが取られたところで仕掛けを回収し、団子の再投入。 10投もしたかなというころになって出るアタリが変わった。ガチガチという感じのアタリが少なくなり、クン、グンと少し引き込む感じに なった。 
「これはちょっといい魚が寄ったかな。」 
と団子割れから出る反応に合わせて送り込んだり引き誘ったりの変化を与えて食いアタリを出させる。クンクンの後クッと押さえて止 まるのは鯛科の魚独特のアタリ。この押さえて止まったところがアワセのタイミングとグン☆と竿を空へ突き上げる。コクンと竿先に乗 った重みはチヌではない重さ。キュルキュルハンドルを巻くと勢いよく上へと向いて泳ぎ浮く。キラリンと光る色がピンクです。これはや っぱり前回の釣行の時に顔を見せたチダイです。 
「今回もこいつが暇つぶしをしてくれるか。」 
同じタイ類なのでアタリも似ており紛らわしいが、チダイ・マダイはどちらかというとちょっと餌が浮いた方が食いがいい。逆にこいつら を避けようと思えば餌を浮かさないように気をつければある程度避けることができる。・・・はずなのだが。。。今回は前回よりもさらに このチダイが元気いいようで、次から次へと餌を食ってくる。つつきアタリはわざと見逃し、食い込み押さえ込みのアタリだけを相手に してもどんどん匹数が上がって行く。これだけチダイが賑やかだと数の少ないチヌが食う暇が無い。チヌも匹数が多ければ、これらの 餌取りを蹴散らかして浮かしてしまうだろうが、この冬期、しかも今季ほどの薄い魚影ではそこまでのチヌの寄りは期待できない・・・。 
「ああ・・・今回はチヌは釣れないかな。まぁ、それでもお土産にチダイだけは持って帰れるからいいかぁ。」 
ちょっとあきらめ気味に釣りを続けます。チダイは大きいので足の裏ほどもあるので塩焼きにはちょうどいいサイズ。持って帰ってもこ れなら喜ばれる。潮は良く動いて団子割れすぐに道糸は沖へと走るが斜めを向く前にすでにチダイに食われてしまう感じだ。この状 況のままいつもならここのゴールデンタイムである9時に突入。それでも別段の変化なく、時間だけが過ぎていく。チダイだけを追加し てついに潮止まりの時間を迎えました。 
「・・今日はこれで終わり…チヌは釣れないで終わるなぁ・・・」 
 糸が潮下へと走らなくなり、それと同時にチダイの食いも止まりました。付け餌の方も残るようになりました。 
「普通ならこれってチヌの食う前兆なんだけどなあ・・・。潮止まりでこれじゃあそういうわけにもいかないだろうな・・・。」 
潮が止まって小一時間が経ちました。 
「次に潮が動き出したら今度は糸は筏下へと入り込む。そうなると今日の釣りは終わりだな。」 
と思った瞬間、ひさびさに竿先がお辞儀をします。ツツーツツーと押さえ戻って、その後す〜っとも1つ大きく押さえ込み、そのまま止ま ります。これはそれまで食ってたチダイと変わらないアタリ。グンと竿を突き上げるとゴンと重みが伝わります。 
「ん?ちょっと大きい?」 
巻き上げに掛かると竿の腰に掛かる重さがちょっと力強く、そして2度3度と突っ込みます。 
「もしかしてチヌ?」 
こうなると顔を見ないでバラしてはなりません。ちょっと慎重に、けれど、早く顔を見ようと上に早上げをします。水中でギラリンと銀色 に光って 
「おお!チヌじゃん♪」 
それからは丁寧にあしらってたもですくいます。結構いい型、顔は40cm級の立派なチヌです。 

 

「ボウズ覚悟してたのに、よくぞ食ってくれた☆」 
と感謝感激雨あられ(笑)。 
 その後もういくつか続くかと思ったけれど、間を開けずに餌を食ったのはまたまたチダイでチヌは続かない事を示しました。その後 は潮が代わり、道糸は筏下へと入るようになりました。残り時間も少ないので釣り座を変わることなく、そのままの場所で団子を前方 へほおりこみ、筏下へ入り込むまでの勝負として釣りを続けましたが、迎えの船が来るまで、チダイをいくつか追加しただけでいい状 況は訪れてはくれませんでした。 
 帰りの船で、カレイ釣りの団体さんにお話しをうかがいましたが、日が差しだしてからは餌すらとられず、全然ダメだったとのこと。そ れだけ食いの悪い状況の中、おみやげにチダイを20匹ほどと本命一匹手にできたのは上出来というところかなというところで帰路に つきました。 

2014年01月13日
大竹 宮島沖の筏      7:30〜14:30   38cm  1匹 

 3連休の最終日、一番穏やかな日を選んで出漁です。 
 船頭さんが運んでくれたのは、一番沖にある深場の筏。予約時は一人釣行ということで、他のお客さんと相乗りと指示があったのだ が、一人単独で下ろしてもらえた。他の人と一緒にやるのは全然かまわないのだけれど、ここの筏は満ち引きで潮が結構速く流れる のでどうしても反対向きには釣り座を設定できず、同じ面で並んで釣るようになってしまう。相手も一人で筏に二人だけぐらいならそれ もいいが相手が二人以上となると同じ方に向くと狭くなりすぎて気を遣うので反対を向いて釣らざるを得なかったりする。そうすると潮 は筏の下へぐんぐん入り込むので非常に釣り辛い、というか釣りにならないということも多いので自分としては単独の方が釣り易くて 好きなのだ。 



 さて、今回は到着したときがほぼ潮止まり。満潮が8:30分で干潮が14:30ですから、ほぼ下りのひとしおの釣りとなる。釣り座を 構えて、同じ方向に潮が流れ続けるので大変釣り易い潮の日だ。ところが・・・馬鹿をしてしまった。せっかくこのように条件のいい日 に釣行できたのに・・・ 
「あれ?ここって、引き潮時は西流れだっけ?東流れだっけ?」 
・・・忘れてしまったのです。 
「う〜ん・・・西か・・・東か・・・」 
到着は7時半なのでほぼ潮は止まってるところ、ちょっと込み潮が残ってるかな・・・このとき、潮はほんのちょっとだけ西に動いてい た。そこで引きは東向きと思い切って、釣り座を筏の東向きに構えた。筏に降ろしてもらったのは西側だったので、東向きに座るため には竹組の筏をわたって反対側に行かなければならない。不安定なので少しずつの荷物を持ってと何回か往復してやっと道具の運 搬も終わり、釣り開始だ。 
 今回の団子は前回使えると思った「紀州パワー」メインに仕上げた。冬場とあって水温もかなり低くなっているので集魚の役目はア ミ・オキアミに託す。アミエビ1.5kg・オキアミのミンチ2kgをよく混ぜてミソとし、これに紀州パワー2袋をくわえてしっかり混ぜ込む。 紀州パワーは集魚材をたくさん含んでいるという説明を信じて単品使用で挑戦だ。しかし、しっとりめに仕上げたこの団子。まとまりは いいのだがちょっと割れが遅い。深場(手尺で22m)なのでそれはそれでいいのだが、この時期、チヌが団子を突いてくれることはほ ぼ皆無。餌取りが突いて割ってくれることも期待薄なので、もっと着底後はばらばらと崩れ、すぐに自爆してほしいところ、この自爆感 が早いのが「紀州マッハ攻め深場」だった。「紀州マッハ攻め深場なら水気の多い少ないにかかわらず崩壊してくれるので割れを調 整しやすいのだ。今回できた「紀州パワー」団子はほんと力を入れず、団子の周囲薄皮だけをまとめる感じで丸めて投入するがそれ でも時には割れるまでを我慢できず、こっちで無理矢理割ることも結構あった。(午後作り直した団子は水気を少なくパサパサ仕上げ にしたので割れ加減はよくなった。)刺し餌はオキアミ生。餌取り対策で団子餌(生ミック)も用意したがほぼオキアミ独壇場となった。 潮はほんとにじわりと筏の下へ入る感じ。波も風も落ち着いていてとてもいい感じ。なんか今日は釣れそうな気がする。期待は団子の 撒き餌が効いてポイントが竿下に形成できる9時半から11時。ここの釣り場のゴールデンタイムだと思い、トントンとリズムよく団子を 入れていく。 



 開始から1時間ほどした頃餌のオキアミが切られ出した。 
「ん〜餌取りは・・・フグかあ?」 
竿先に出る餌取りアタリが気持ち重たくて竿先を押さえ込む感じ。 
「ひょっとして小鯛?」 
小鯛なら餌を上に上げてやると食ってくるので、団子割れ即わざと一ヒロほど餌をあげて沈めていくと途中でグーーと竿先を引き込ん だ。 
「やっぱり☆」 
と引き込みに合わせて竿をあおって合わせると軽いながらも魚が着いてる感触。なぜだかやっぱり上に向いて一気浮いてくるので急 いでそれに追いつくように巻き上げる。途中2度3度カクンカクンと下を向いて首を振り、上がってきたのは手のひらちょっと越えの小 鯛。よく見ると背びれの前二つが長いのでチダイだ。塩焼きサイズなので 
「おおっ、これはいい餌取りだ。」 

  

と喜んでビクに入れる。しかしこれが入れ食いだと今日は小鯛釣りで終わってしまう。適当にお土産として釣り上げながら、でも、チヌ を釣るために時々つけ餌が底に落ち着いて残る状態をキープしたい。団子割れの反動でつけ餌が飛び上がらないように竿先に掛か るテンションを弱めて釣ることにする。やっぱりこれで、小鯛の食いも少し遅くすることができた。魚の反応はかなりいい。小鯛を2匹、 3匹と追加。さらに手のひら大のフグ、そしてさらにおいしいお土産、なんと30cm級のアジまで釣れた。 



「そろそろ潮が変わるはずだがなあ。」 
と思いいながらやっていたが、糸は相変わらず筏の下へ入っていく。9時半を過ぎていよいよ下り潮に変わった頃・・・ところが潮は前 へ流れ出すどころかグイグイと筏下へと入り出した。 
「えええ??これって、、、潮の流れ読みを間違えた??」 
そう、釣り開始時に思い込んだ下り東流れは読み違いだったようで本当は下り西流れだったようだ。朝から時合いに向けてポイント 作りをしていたのだから捨てがたい。しかし、このまま釣り続けて筏下へ糸が入り込むのは釣りづらすぎる。 
「ん〜・・・・、動くなら早いほうがいい!」 
 10:00思い切って場所替えをする。朝一番に渡った竹組を再び渡り帰る。 
「今からやって、時合いに間に合うかなぁ。」 
潮流れを間違えず、最初からここでやってたら、ちょうど今ぐらいからチヌの魚信を感じられただろうに・・・再び釣り座を構え、もう一 度最初からポイント作りだ。潮はかなり早く動き出し、足下から沖(西)へと流れていく。また、この頃から急な突風も吹き出した。この 突風、吹き出すとかなり強く、上潮は風で飛ぶ感じ。そして筏は風下へとググーと移動もする。 
「これでは、底ポイントが作りにくいなぁ。。。」 
おそらく風と潮の流れで団子の着底はあちこちに散らばっているだろうが、それで魚が分散するのは団子の数でカバーすることを狙 い、せっせせっせと団子を打つ。場所替えして1時間半ようやくこちらの新しいポイントにも魚が寄り集まってきたように感じられる。食 いアタリが出るように付け餌をくわせオキアミスーパーハードにすると穂先をククーと押さえ込んだ。見逃さずにグンと合わせるとこれ また小さめの手応えで小鯛があがってきた。 
「また、こいつらかあ。」 
まあそれでもおみやげにはいい魚だからびくに入れる。潮の走りは結構早い。団子割れでほったらかしてると10びょうもたてばハリ スは吹き上げられてる気がする。そこで餌が吹き上がらないように糸を送り出したり、チビしずをハリスの上に打って吹き上がりを押 さえながら流したり、重い錘に変えてデンと底に止めてみたりといろいろやってみるがチヌのアタリは出ない。そのまま時間は過ぎて いき、ついに納竿間近の潮止まりがやってきた。 



「はあ〜、まさかと思ったけど、今日はこのままチヌアタリは出そうもないなぁ・・・・ボウズかぁ。。。」 
と再度鉛を外して完全フカセとし、それでも糸が真っ直ぐ降りるようになり、あきらめ半分になったとき、クンクンと引き込まれた竿先 がその後ククーーと押さえ込まれて止まった。 
「うっ!!」 
このチヌの食いアタリには体がすかさず反応してくれる。ガッツン!と針掛かり。けれど、この魚も上へと浮き上がり気味。糸ふけがで きないように急いで巻いていると急に反転でググーーの引き込む。この引き込みのパワーがこれまでの小鯛とは違う。キーーーと糸 なりがして走るのでちょこっとだけスプールの押さえを緩めて糸を出してみたり。しかし、今日一のチヌな感じなので、ばらすわけには いかない。 
「せめて姿だけでも見るぞ〜〜!」 
と急ぎ目で糸を巻いて魚を浮かせる。水中でギラリンと頭が光った。まぎれもなくチヌだ。 
「うひゃ!あきらめたら来てくれた。」 
型はそれほどでもなく40cmあるかないかという感じだが、ボウズ覚悟したときに来てくれたやつだ。これはうれしい一匹である。 



「ひょっとしたら続いてくれるかなぁ。」 
と期待して気合いを入れて残り少ない時間、集中したけれど、船が迎えに来るまでに再びのアタリはなかった。 
 帰りの船で他の釣り人の釣果をうかがうとこの日はぼちぼちチヌはあがっている方だった。 
「そうかぁ〜そんなに食い気があったのなら、朝一番、潮流れを間違えなければもう少しチヌの顔を見る事ができたかもね。」 
なんて贅沢なことを考えてみたり(笑) 
 今回あらためて思ったのは、筏釣りの釣果は総合技の結果だなということ。今日の釣れたチヌ。この日に認識できたチヌの食いア タリはこいつの一回だけでした。このたった一回のアタリを見逃さず掛け合わせることができたからの釣果だ。またアタリをとらえての アワセ。緩くてもきつくても掛け外れやバラシの元となるアワセだが、これもたった一度のチャンスにうまくアワセを入れることができた こと。そうして魚のあしらい。巻き上げ時の竿の扱いやリールの糸巻き具合。これまたやりとりをうまくできていなかったら魚をタモに 入れられず逃がしていただろう。どれもどれか一つでもうまくできていなければ今日はボウズに終わっていたのだ。でも一発のチャン スをうまくとらえ切れたから一匹の釣果を得ることができたのです。当たり前のことだけど、再実感する釣行でした。 

2014年01月06日
大竹 玖波沖の筏      7:30〜14:30   17cm〜30cm  4匹 

 さて、前回の釣行、昨年末の竿納めではコテンパンにやられてしまいましたので、リベンジ☆とは言っても、今回は本気の筏でチャ レンジです。 玖波港へ直接行って荷物を下ろし、着替えをしながら出船の時間を待ちます。 
「人、少ないなぁ〜ちょっと早く着きすぎたかな?」 
などと思っていると車が止まって声を掛けられます。船頭さんでした。あいさつをすると…なんと 
「今日はあんた一人だからあわてんとゆっくり準備したらええで。」 
だそうでビックリです。釣果の方の状況はというと、あんまり芳しくないようです。昨年末の釣行でも釣り人9人に対して全体の釣果は チヌ6匹と魚より人の方が多いという状況でしたが、年を越えてからも釣果の方は上がらず、なんと昨日の日曜日は釣り人8人全員ボ ーズで釣果なしだったということです。 
「今日はあんた一人やからどこでもあがれるけど、どこへ行く?」 
と言ってもらえたのだが、どこと言っても今シーズンは初めての竿出しというくらいですから、どこがいいと言うほども筏を知りません。 
「船頭さんにおまかせします。」 
と下駄を預けました。 
「よっしゃ。そしたら、ちょっとわしがあそこがええとにらんでるところがあるからそこへ上がってみい。ちょっといつもと違って浅いとこ やけどな。」 
「了解。」 
ということで船は港を出港します。 
 ところがあらあら、船は波止場を過ぎたと思ったら、もう減速に入ります。今日の釣り場は玖波の港から一番近い筏でした。 
「帰りは2時半ね〜」 
ということで船は玖波港へと帰って行きました。 
「一人占有なのにこんなに近くかぁ。」 
とちょっと考えるともったいないような感じがしましたが、 
「遠くも近くもないやろう。」 
と自分の考えにクスッと笑います。出船即到着と言うことで筏に上がったばかりはまだ周囲が暗い。ぼちぼち明るさを増して周囲が見 えてくると・・・嫌な感じが、、、ちょっと沖の筏で、玖波の牡蠣業者の船が牡蠣上げの作業をしているのが目に入ったのです。 

  

牡蠣上げ作業にはチヌが寄るけど、それは作業場で牡蠣を上げるときにイガイや虫が落ちるからそれを食いにチヌが寄り集まるわ けで、あそこがこの頃の作業場なのだったら、この周囲のチヌはみんなあの作業場周辺に寄り集まってるんじゃないだろうか・・・つま りちょっと離れたここら周辺は空巣とか・・・。 
「まぁ、そんなマイナス要因ばかりを考えても、釣り場の筏を変えられるわけでもない。ここでするしかないのだから、とにかくがんばろ う。」 
と気合いを入れ直して道具を組み立て、釣り座を整えます。 
 今日の団子は玖波仕様で混載はオキアミが中心。主体はいつものように「紀州マッハ攻め深場」。けれど、もういつものパターンが 決まってしまって他の餌をあまり見ることはなかったのですが、今回は前日にポイントへ行ってじっくり餌売り場で吟味しました。する と・・・いや〜釣り具、釣り餌は年々進化するものです。団子のベース餌もいろいろとおもしろそうなものが出ているじゃないですか。そ の中でも今回ちょっと目を引いたのが「紀州パワー」中身が4kgとちょっと少なく、沈下速度も10秒間5.3mとちょっと軽めなのが気 になったが、粒子の細かさ、内容物からこれ単品で団子はOKと思えるところからちょっと使ってみたい一品だった。そこでいつもなら 迷うことなく「紀州マッハ攻め深場」だけを手に取るのだが、今回この「紀州パワー」を一袋買ってみた。そうして「紀州マッハ攻め深 場」との合わせはいつもならこれまた迷い無く「チヌパワームギ」を選ぶのだが、今回はヒロキューの「麦黒鯛」をチョイス。こちら内容 物にはアミエビ・オキアミのエキスを配合とあり、団子にオキアミを混ぜ込むここの団子にマッチする様に思えたからだ。最初の団子 はヒロキューの「ギザミッコオキアミ」2kgに「麦黒鯛」一袋、「紀州マッハ攻め深場」を一袋をよく混ぜ込んで海水をくわえてクックックッ と3回軽く握ったら団子の形にまとまる程度に仕上げる。この後の団子の割れ具合は団子握りの力の加減と握る回数で調節をする。 付け餌はオキアミの生が主体と思って用意。ただし、今回はモエビも100g用意してきている。団子も作り終わり、道具も準備完了、 周囲を整頓していよいよ釣り開始だ。 

  

7:30 
 釣り開始。まずは周囲に団子を10個ほど投入。近くの筏で牡蠣上げ作業をしているのが気になる。団子を投入した後手を洗うが、 水がとっても冷たく、洗う手が痛くなるほどだった。団子投入から底到着までが早い。やっぱり水深が浅いポイントだ。深さは手尺で1 2m。こんな浅いところで団子釣りをするのは何十年ぶりか・・・。 
「この寒い時期にやるとこじゃないやろ?」 
という思いが走るが、船頭おすすめと言うことはきっとフカセで数が出るとこなんだろう・・・チヌは居る場所に違いないと信じることにす る。なんせ浅いので団子投入の割れ具合の調整も簡単。団子の底沈めも何も気を遣わないでいい。実に釣り易い。すぐに底に着くの で団子の打ち返しも苦にならない。 

8:30 
 潮は込み潮。右から左へ結構早く流れます。付け餌はモエビ。団子が割れてすぐに付け餌が取られるようになりました。餌取りの正 体は何か?オキアミの生だと竿先にあまり反応が出ずに餌がなくなるのでモエビでやっているのだが、なんとなく竿先を押さえるチヌ かなとも思えるアタリ・・・しかし、押さえ込みが弱々しので合わせられない。仕掛けを上げて残った餌を見てみると、すぱっと切られて いる。これはやっぱりタイ類か?それとも前回悩まされた大きめのフグか?・・・ 
 そのうち押さえ込んで止まるアタリが出たのでアワセを入れるとカクンと魚が掛かった。なんだなんだ?と正体暴きに巻き上げなが ら海をのぞくと・・・・・・なんと15cmほどの手のひらチヌ。 

  

「ええっ?こんなのが来るの???」 
時期的にこのサイズが来る時期ではない。ということは・・・ 
「ここはこのチビチヌの巣かぁ〜?ひょっとしたら今日は一日、ずっとこのサイズが入れ掛かりになってしまうかも・・・?」 
このパターンは一番おもしろくない。餌取りがチビでもチヌでは避けようがない。また、ずっとそのパターンだとサイズアップの可能性 も低いというのがこれまでの経験パターンなのだが・・・時間をおかず同型のチビがきた。 



「やっぱり・・・」 
ところがこの2ヒキで止まってしまう。だんだん餌が引きちぎられるようになり、さらに針に掛かって上がってくるのはデカフグばかりと なってしまった。ひょっとすると寄ってきたフグを怖がり、チビチヌは離れてしまったのかもしれない。どっちにしてもテンションが下がる ことばっかり。やる気が薄れていく・・・。それでもここは9時から11時がゴールデンタイム。もしかして急にデカバンの活性が上がって 来るかも。としんぼうして団子を入れ続ける。 

10:30 
 ゴールデンタイムのまっただ中なのに状況には変化なし。餌取りは20cm級のフグ。。。これはボウズの気配。。今後状況が好転す るようには思えない。・・・やっぱり冬場は深場の方が期待が持てるだけ集中力が持続するかも・・・。天気がよくて風もなく暖かいのだ けがすくいだ。 



12:30 
 いよいよ昼になってしまった。そろそろ潮止まり。状況には全く変化なし。 
「今日はダメだね、こりゃぁ。」 
前回の釣行で、ゴールデンタイムに食事をして機会を過ごしてしまったことから今日はおなかが空いてもちょっと食事するのを我慢し てたんだけれど、この状況じゃあダメダメとお昼を食べることにする。ただ、長竿フカセと違って、短竿の筏釣りは釣りを続けながらお にぎりをほおばってお昼を食べることができるから状況を見逃すことはない。相変わらず団子が割れたら小さな餌取りアタリでつけ餌 がなくなる状況が続く。昼食を終えたところで1回目の団子が底をついた。ちょっと竿を置いて2回目の団子作り。今度の団子は前回 の磯フカセであまってしまって持って帰り、冷凍していたオキアミ主体のフカセ撒き餌(日に当ててやっと溶けた)に「紀州パワー」を混 ぜ込んで作成。これは簡単すぐにできた。また、できあがった団子は頃合いがちょうどよく、握り加減も調節しやすく、まとまりもGoo d。割れ方も良好・・・これで「紀州パワー」は合格点。 
「今度からはベースに紀州パワーを3袋用意して行こう。」 
 思ったより団子の量が多くできてしまった。それにオキアミと交互に使っていたので、今回付け餌で持って来たモエビもかなりあまっ ている。残り時間はあと2時間・・・・。 
「餌がのこるのはもったいない。」 
団子もテンポよく割れるので、釣れる・寄るの可能性は感じないけれど、ここでピッチを上げて打ち返すことにする。モエビの方も選別 して大きめのを付け餌にし、小さいのは団子に包み込んで撒き餌とする。食いアタリとは行かないが最初に出るアタリで掛けに行き、 すぐに仕掛けを巻き上げて次の団子を入れる。ピッチピッチ。 

1時過ぎ 
 糸は竿先から垂直に下がって、潮止まりを示している。鉛を外して完全フカセにするとアタリがはっきりと出るようになった。すると、 なんとなく団子割れからの餌突きアタリが力強いものに感じる。そこでちょっと打ち返しをストップして、餌がなくなるまで置いてみる。 何投か後にコンコンとはじくようなあたりから急にグーンと竿先が突っ込む。 
「ふむっ!!」 
と竿をあおるとグインと重みが乗った。 
「掛かったよ?魚は何だ?」 
急いで巻きに掛かるが魚は上を向いて突っ込んでいる。急加速で糸を巻いてなんとか追いついているがこれでは魚の大きさの見当 が付かない。それでも、なんとか姿だけは確認するぞと慎重に対処。もうそろそろ姿が見えるか?というところで急に反転下へ突っ込 んだ。 
「おっと!」 
巻きを止めてグググっと竿でためてつっこみを耐える。これがなかなかな突っ込みの力で少しだけ糸を出したくらいだ。しかし、なんで かこの魚は上へ向く癖があるようで、その後もう一度上への突進に対処してやっと魚体が見えた。ギラリンと魚体が光る。 
「チヌやん?」 
最後に右、左と魚をいなしてたもですくう。なんと30cmほどのチヌ。 



今日は釣れない、ボウズとあきらめていたのに思いの他のチヌの出現に思わず笑ってしまった。このチヌは魚体の白いチヌ。がんば って団子投入を続けていたので寄ってきたやつだ。ただしやっぱり浅場。型は小さい。ひょっとしてまだ複数の獲物がいるかとその後 の魚信に集中するが、続けて食いアタリが出ることはない。さっきの一匹目は付け餌に餌取りがつき、ちょんちょんと突いて餌が少し 上に浮いたところを食いに来た感じだったので、ちょっとわざと団子割れ後に付け餌を浮かせてみた。するとひょんと横から突っ込ん で食うという感じでまたパンパンと跳ねるような竿先に出たアタリで針掛かりした。そんなに大型ではないが確かな手応えで上がって きたのはさっきよりは一回りほど小さいまたまた白いチヌ。 

  

「はぁ〜昼が過ぎてから食い出すなんてここでは初めてやん。」 
潮は午後からの満ち込みの潮が動き出していた。これからもっと積極的にアタックしだすか?と思ったが時間の方がもうタイムリミッ ト。迎えの船が見えるまでねばったが、追加の釣果を見ることはできなかった。 
 しかし・・・完全にボウズを覚悟したのに初釣りでチヌの姿を見ることができてよかったよかったでした。 

 


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