2009年 釣行記

2009年05月03日

紙祖川                 11:00〜16:00                 15cm〜21cm   12匹

 今年のゴールデンウィークはうまく連休となりました。毎年このゴールデンウィークにはたくさんの釣り人が川へ入り、また、川辺にある田んぼも代掻きがされ、土中の虫たちがたくさん流れてヤマメたちは腹パンパン。と同時に土の消毒のクスリも川へ流れる。さらに川の水温もグングンと上がり、僕がいつも射程としている里川でのヤマメ釣りは終了します。「今年もこれが最後だろうな…」と思いながら最後の釣行地を解禁に訪れた紙祖川に決めました。
 このたび、週末は高速通行料金が一律1000円と言うこともあってのびのびと高速を走って遠方へも快適ドライブです。ゴールデンウィークの中日・日曜日なので山菜採りや釣り人と紙祖川周辺も人手が一杯だろうなぁと思ったのだけれど、思いの外人が少なかったのです。山を見てみるとなるほど、今年は春の後半にも積雪が少なく、また、解禁からこれまで好天の日が続いたので、山菜ももう収穫の時期が過ぎてしまっています。道路から見えるわらびもタラの芽ももう伸びきってしまって魅力がありません。さて、峠を越えて紙祖川を下りますが、こちらも釣り人が見えません。駐車帯にも車がほとんど無い。今年の紙祖川は入渓者が少なかったのでしょうか。解禁当初の魚が小さすぎだったので他の川へ釣り人が回っているのかもしれません。
「これなら、まだまだヤマメも残っているかもしれないな。」
と本日の釣行への期待がふくらみます。
 川はもうすっかり初夏の様相。前回の福川川釣行で、ヤマメは川虫しか食べなくなってきているのがわかっていましたので、ひとまず匹見本流まで行って川虫を捕って再度上ってくるつもりだったのですが、がら空きのポイントを素通りするのはもったいなく思い、いつもの場所へ車を止めました。
「ちょこっとだけ持参の養殖ブドウ虫でやってみて、食いが悪ければすぐに川を上がって川虫を捕りに行こう。」
昼前に到着したのでちょっぴりゆとりです。準備を整えて川へ降ります。いつもならそこから遡行するのですが。今回はふと川下へ目が向きました。
「案外ここから下って人が竿を入れないんだよね。もしかして釣り残りがあるかも?」
ということで釣り下がってみます。最初の浅い流れの荒いところではアタリは出ませんでした。けれど、少し下がって水深のあるたまりに餌を入れてみるとツインとアタリが出ました。クインとあわせてグルグルグルっと手応え、ちょっとしたやりとりをして上がってきたのは18cm級の大きくおなかがふくらんだヤマメです。
「ほほう〜?結構型がいいじゃん。」



解禁日の釣行では釣れるのはほとんどが放流サイズだったので、この型が釣れてくるのはうれしいです。でも、同じポイントではアタリは続きません。さすがにヤマメは敏感になっています。少しずつ下がって、餌を入れられるポイントに次々と投餌します。釣り下がりのスタイルではどうしても餌が停まる水深のあるたまり狙いになってしまいます。でも、一投目に狙いの筋にうまいこと餌が入って流れたら、ほとんどアタリが出てきます。
「魚が結構居るじゃん♪」
ところがなぜかうまく針掛かりしてくれません。アワセはうまく入り針掛かりはするのですが、クククンでばれてしまいます。次もバラシ。またまたバラシ。またまたまたバラシ。
「なんでやねん???」
ゼロ針にブドウ虫を一気に飲み込むほど食いがよくないのでしょうか。サイズを下げても同じです。仕方がないのでグンとサイズを上げてアワセで口に掛けるスタイルに変更しました。これでやっと少しはとれるようになりましたが、なぜかこの日はこのバレにずっと悩まされます。型が小さいと言うことはありません。時々はギリギリサイズや放流サイズも上がってきますが、釣り上がってくるのは平均サイズが17cm。紙祖川ではいい型の方です。ヤマメのあたるのはポイント一投目、しかも流れが生きていて餌が停まらないところです。流れを外れた餌が停まるところはチョイチョイというアタリが出て、カダヤシが釣れてきます。このカダヤシもぼってりと太っています。水深が深くなっているところから後方のかけ上がりまで流したら今度はウグイです。大きいウグイ。これが群れになって固まってます。ちょうどこの5月ゴールデンウィークから後はウグイの産卵時期になります。婚姻色が出て赤く、口元がぶつぶつでちょっぴりグロテスクな感じのするウグイが竿を絞り込みます。これをやったらもうヤマメは喰ってきてはくれません。まだ産卵が始まっていないようでこのウグイの群れの上でヤマメは食ってきます。もう少しして産卵が始まったらヤマメはこのウグイの群れの下で入れ掛かりになることがあります。それはウグイがセヅリ状態で産卵して、その生み付けた卵をヤマメが群がって食べまくるのです。産むのと食べるのとどちらが早いか。。。自然の摂理はむごいとも思える様相をつくりだします。

     

 さて、下り釣りのポイントが一段落するところまで下がりました。もう少し下がればまたポイントは続くのですが、下がって行ってしまうとどんどん車から遠ざかってしまいます。釣り上がるつもりで川へ降りたので、遡行を反転します。ポイント尻にチャラチャラの流れがありました。
「ここで川虫が採れればわざわざ本流まで行かなくてもいいのだが…」
と思いつつチャラチャラの石をめくってみます。すると大きさには少し不満が残りますが、ちゃんとヒラタが石についているではありませんか。この紙祖川の上の方にヒラタがつくのは春もかなり後半のはずなのに…今年は解禁からずっと好天気が続き、気温・水温が高めで推移、山菜も伸びるのが早かったぐらいだからここにヒラタがつくのも早かったのでしょう。これだけ川虫がもう出てきてるのだからヤマメたちのおなかが十分にぼってりしているわけです。竿を置いて川虫採集用に片手にネオプレーン製の作業手袋をはめます。踏んだらコロンと動くくらいの浮き石、そういうところにヒラタは多い物です。あんまりたくさんとってもヒラタはすぐに死んでしまうので役に立ちません。30匹ほどとって釣り上がり開始です。
 今度は餌が川虫に変わり、釣り方も遡上スタイルに変わったので再度針をゼロ針に替え、鉛もワンランク下げて目印も下げて瀬流し釣りにスタイル変更です。浅いチャラ流れに狙いを替えて打ち込みながら川を上っていきます。これでさきほど釣り下がりの時には攻めきれなかったポイントも探れます。餌が食いのよい川虫に変わったこともあってか
「こんなところにも?」
と思えるほどの岸際の浅瀬でも喰ってきます。けれど、やっぱり掛かって走ってすぐにバレる。。とれるのは5アタリに1匹ほどという感じ、自分の腕がなんとも情けなく歯がゆい感じです。



 入渓点まで戻り、今度はさらに上へと上っていきます。けれどもこちらはあんまりヤマメは喰ってきません。たぶんこちらへはたくさんの人が竿を入れているのでしょう。餌を入れやすいポイントではあまりヤマメのアタリは出てくれません。ウグイばっかりです。それよりも目印が走るくらいの流れの尻や岸際のチャラの方がアタリは出ます。
 餌が切れるというところでちょうどまたチャラチャラの場所に来ました。再び竿を置いて川虫とりをします。こんどは先ほどのところよりたくさん川虫がいました。結構この川虫とりもおもしろいんですよね。あっちの流れこっちの流れ、あの石この石と次々めくってチョンチョンと川虫を捕っていきます。小一時間も川虫とりに熱中し、今日の残りの釣り時間に十分な量のヒラタを確保しました。


 とれたヒラタが少し大きかったので、針を再びゼロ針から大きいのに交換し、口に掛けるアワセに替えました。これでまた少しキープ率が上がりました。時刻も夕刻となり、カゲロウが飛び出しました。あちこちでライズする魚影も見られるようになって、これからと思いましたが、車より上流部、橋の下あたりにあった面白いポイントが昨年行われた重機による川慣らしによって、壊滅してしまってました。しかたなく車まで戻ります。
 場所替えして攻めてもよかったのですが、なんとなく車に一旦戻ったとき、充足感が持てたので、今回は早いけれどこれで帰ることにしました。


2009年04月19日

福川川    13:00〜17:00      ゴギ      21cm              1匹
                      ヤマメ   15cm〜21cm 4匹

 解禁後思わしくない釣果の福川川に今年は少しばかり意欲が薄くなってしまって、釣行もしばらく日にちが空きました。それにしてもあんまりいい天気なので、「青空の下、川につかって竿を振るだけでも…」とテンカラも持って出かけました。
 12時半に福川川に到着。前回の釣行で堰堤より上でないと魚は遊んでくれないとわかったのですが、がら空きの本流を見るとついつい竿を振りたくなります。日曜日だというのに人影一つ見えません。そこでいつものところに車を着けます。ここは車側帯が広く用意がしやすいのです。ゆっくり身支度を済ませて1:00から川へ入ります。 前回の釣行で魚が居るところは見通しがつきます。おそらくずっと上のチャラしか魚は出ないでしょう。ポイントがチャラですからテンカラが楽しめそうです。なので腰にはテンカラ竿を差して降りました。
 入川点にもポイントはあります。けれど、魚は反応を見せません。
「やっぱりダメだね〜」
とトントンと大きなポイントにだけ餌を入れて上へと足を進めます。さっさと目的のチャラへ到達してテンカラを振り、このポイントはおさらばして堰堤上に釣り場を替えるつもりです。ところがトントン歩を進める途中、瀬の中のタルミですっと魚の影が見えました。
「ん?何かいる?」
ということで次の大きな落ち込みの下のタルミで少しじっくり攻めてみます。するとツンと目印が動きました。すかさず手首が反ります。クッと掛かった後ツイーと道糸が走ります。良型の手応え。久しぶりの手応えです。道糸は前回使ったまま巻いていた0.1号だったのを思い出しました。無理をせずに竿を寝かしてやりとりします。魚は反転、今度は下へ下ります。テンションを掛けながらも魚について下がります。上れば上へ下れば下へ…魚について動きます。何度かのイナシによってようやく魚の走りが停まりました。寄せに掛かりますが、そこは流れの速い早瀬でした。二筋向こうで魚は頭を出しました。どっぷり肥えていて23cmを越えてます。
「ん〜どうやってこいつを手前筋に寄せようか…」
瀬は下るほどに流れがきつくなります。悩んだ末に頭を出して波乗り滑らせで手前に寄せようという策に出ました。ところがグイっと首を上げたところでバシャバシャと一暴れしてしまいました。そのときにプッツ〜ン!糸が切れてしまいました。
「あちゃ〜〜。」
それまではしっかり大事にやりとりしたので力が抜けてしまいました。
「くやしい〜〜」
しばらく座り込んで唖然です。仕掛けを見てみると針と錘の間で切れていました。0.1号が魚の力に耐えられなかったようです。完全に魚体が出ていて見えていたのでとても残念でした。
 しばらくして気を取り直し、
「魚はおるぞ?」
とそのポイントをもう一度じっくりと探っていきます。水落の白泡のへちに餌を入れたとき、サーーっと目印が走りました。こういう強いアタリの時は逆にアワセは緩くです。ヒョンと竿先で聞くように合わせるとキュンと掛かりました。またまた魚は走ります。
「今度は獲るぞ!」
と竿を倒してやりとりします。今度は先ほどほどは抵抗を見せずに魚が浮きました。さっきのことがあるので今度はこちらが川に入っていって魚を掬います。タモに入ったのは頭でっかちのゴギでした。さっきよりは小さいとはいえちゃんと20cmを越えてます。

 

「こんな良型が続いて??」
少し構えが変わりました。上への歩みをスローにして丁寧にポイントを探っていきます。時々、小さなアタリが出るようになります。ところがこちらはなかなか餌を食い込まず、針に掛かってくれません。そこで小さな当たりで針を掛けるためにアワセを入れてやります。これで掛かって上がってきたのはウグイでした。そうして次はカワムツ。カワムツを釣ったのは久しぶりです。山口県内でヤマメを釣場合はこのカワムツがとっても多く、餌取となります。少し川の下手で釣るとこればっかりで餌がすぐになくなってしまうことだってあります。けれど、高津水系では滅多に顔を見せません。カワムツが餌をとらないからヤマメを釣りやすいのです。でも、次も続いてカワムツ。今シーズンはずっと好天気が続いて早く川の水温が上がっているのでしょう。そのあともう一匹ウグイを掛けて段々瀬を登り切ります。

 

 
 この段々瀬の瀬肩で少し小さい15cm級のヤマメを追加。まだヤマメはいるぞと一つ一つ落ち込みに餌を入れていきますとクインといいアタリが出ました。合わせるとククンといい手応え。これはこれはとやりとりに掛かろうとするとスコンと針が外れてしまいました。なんといい型のヤマメを連続2匹バラシです。続いてまた良型が掛かりました。グググググンの手応えの後バシャンと跳ね出てまたまた針外れ。なんとも今日は良型は全部ばれてしまいます。



 狙いのチャラまで上がってきました。天気がよく水温も高いのでひょっとすると川虫が採れるかな?と竿を置いて石をはぐってみます。するとさささっとヒラタが逃げました。
「およっ いるいる。」
そんなに大きくもなく数も少ないのですが、なんとか採集できます。川虫を捕るのって結構楽しいんですよね。ついつい熱中してしまいます。一通り周囲のめくれる石を全部ひっくり返して20匹ほど確保できました。さて、狙いのチャラです。餌を川虫に替えて目印をぐんと下げ、大好きなチャラ瀬のゼロ流しをやります。するとどうでしょう、これまでとは違ってドンドン反応が出ます。

「あれれ?こんなにヤマメがまだいたの?」
と驚きです。残念ながら掛かるヤマメは型が小さく放流ものがほとんどです。釣っては逃がし釣っては逃がしですが、ここぞと読んだポイントではほとんど魚が反応してくれます。このチャラで20匹近いヤマメを釣ることができました。けれど、キープできたのは2匹だけでした。

 
 チャラを越えると再び石落ちに深みのたまりがある段々瀬へ、チャラが終わると同時に川虫も切れてしまいました。餌を再びブドウ虫に替えます。ブドウ虫では小型のヤマメは興味を示してくれないようです。アタリが遠のきました。それでもいくつかの落ち込みを攻めて再び良型の手応えです。上へ下へとやりとりした後瀬の中の大石の向こうへ回られてしまいました。そこでまたまた針外れ。今日は良型は全部ばらしてしまいます。



「なさけないなぁ〜」
と思ったときに幸運にも再び良型のアタリ、ヒュンと竿をしゃくって掛けて、
「今度こそは!」



とやりとりに、、、でも、これはそこまで大型でもありませんでした。少々無理矢理な寄せを入れてタモに確保。一回り小さいと思ったこのヤマメは21cmでした。「…やっぱりばらしたヤマメたちはほとんどが20cm越えの良型ばかりだったな。」なんとか一匹確保できたところでこの日の釣りは終わりとしました。
 今回は、やっぱり暖かくなると餌は川虫だなというのを再確認する釣行でした。

2009年04月05日

福川川    13:00〜17:00 15cm〜17cm 4匹

 前回、解禁間もないにもかかわらず思いの外調子が悪かった福川川、けれどひょっとしたら魚の放流点が変わったからかもと今度は少し上流へと狙いを替えて再度の釣行です。
 しかしながら川へ着いてみると意外と釣り人が少ない。ひょっとしたら不調だったのは僕だけではなく、一気に人気がなくなったのかな?とも思う。渓流の調子は口づてですぐに伝わる。好調とあれば一気に人が集まるし、不調とあれば川に閑古鳥が泣くものです。昼過ぎに着いたのに本流部に釣り人の姿はありません。
 まずは大堰堤のすぐ下へ入ります。あんまり期待はしてません。前回の様子から今年はこの大堰堤から下の本流部にはあまり放流をしていないと読んだのです。期待が残るのはここではなく大堰堤より上なのです。入川点にちょうど瀬落ちのトロがあります。調子のよいときにはこのトロだけで5つぐらい顔が見られるのですが…。やっぱり?魚は全然反応を示してくれません。足場を変え、流す筋を変えて一通り全部餌を入れてみましたが、反応はゼロでした。一気に下って長い瀬の尻の落ち込み淵まで行って、上りながら探るつもりですが、途中有望な水深のあるツボやトロはちょこっとだけ餌を入れてみます。けれど、やっぱり無反応です。さて、狙いの瀬落ちの淵、反応はどうでるか、、、そっと足場をとって流れ筋の向こう、岩陰近くのコース。ここの一番の筋に一投目から入れてみますが…やっぱり反応なしです。鉛を変えたり流す筋を変えたりいろいろ探してみましたが反応なしです。一通り探って、上へ移動、今度はポイントごとに餌を入れながら上がっていきますがもう頭の中がダメダメムードなので探りも浅いし足取りも速い。浅い瀬で2度ほど反応がありまして、放流サイズの1匹13cmが上がってきましたが後は続きません。「いるにはいるようだね。」とわかりましたがたいしたことなしとさっさと入川点まで戻りきってしまいました。車に戻ると、移動中の釣り人に声を掛けられました。「釣れますか?」「いえいえ、ダメです。」見ると広島ナンバーです。きっと思うような釣果が出てないのでしょう。せっかく広島から来られたのに…。
 さて、大堰堤下はやはり読んだとおりみたいなので今度は大堰堤のすぐ上に入ります。こちらも入川点から始めますが反応が出ません。まずはさっさと下の瀬落ちの淵まで下ります。こちらの淵でもやはり反応は鈍かったです。ただ、一回だけ餌をつついてきましたが食い込まずで針掛かりしませんでした。けれど一段上のチャラ瀬を川渡りするとき、すっと魚影が走るのが見えました。「おっと、いるのかな?」チャラ瀬の中の石裏、浅く小さなポイントをねっちりと攻め直してみると反応が出ました。「おお!いるいる。」ということでねっちりせめて3匹ほどゲットです。けれど、型が小さい…キープはそのうち1匹だけです。チャラには魚影があったのに水深のある瀬や落ち込みでは全然反応しません。トントントンと上へ上がって入川点より上へ…ここから様子が変わりました。ポイントの一番筋でアタリが出るのです。残念ながら型は小さくほとんどが放流サイズ。びくの中に魚は増えません。けれど、魚は居ます。この堰堤のすぐ上のポイントはいつもの年は放流がされてないようで魚影が薄いのですが、今年は違うようです。一通り釣りきられているのか同じポイントで数は出ません。それでも一つ上へとポイントを移動すればアタリは出るのです。
 時間がそんなに無かったのですが、ほとんどは放流でしたが釣果は2桁越え、福川川も大堰堤より上にはヤマメがいると知ることができました。

2009年03月21日

錦川水系  木谷川   16:00〜18:00   18〜21cm  5匹

 親父の墓参りをした後、久しぶりに錦町の木谷川へ少しだけのぞいてみました。平瀬ダムの建設に関わる道路工事が進み、周辺はかなり様相が変わってしまっています。川へ入る昔からの道路も通行止めになって、新道から進入するようになってました。平瀬ダムの建設は、長年の折衝がついに完了し、建設が決まったけれど、ダム工事の見直し政策によって建設は中止になったと聞いたのですが…計画はいつの間にか再開になったのでしょうか?…玖北漁協の組合員に知り合いがいなくなってしまったのでその後のことはわかりません。しかし、ダムができるとこの好きな木谷川も半分ぐらいは水没してしまうみたいで、寂しい限りです。
 さて、変わってしまった風景を見回し、道を探して入ったら、もう時刻は4時になっていました。3年前に少しいい感じだったポイント入ろうと広い駐車帯に車を止めて、少し下流へ歩きます。



 相変わらず水はとっても綺麗です。輝いてます。早速おいしそうな一番ポイントの石落ちのたまりに餌を入れてみますがさすがにもう解禁からだいぶ経っているので攻められ尽くしているのでしょう。アタリはありませんでした。けれど、瀬の中にある小さなポイントを丁寧に攻めていくとぽつりぽつりとアタリが出てくれます。

   
 錦川で釣れるのは高津とは違ってアマゴです。それも一回り型が大きい。0.1号で高津と同じように雑なアワセを入れてしまうとツンと合わせ切れしてしまうこともしばしばです。ふっと上に気配を感じて顔を上げるとあれれ?川を下るときも川へ降りるときも何もなく、誰もいなかったのに道路にバイクが止まっています。そして河原に人影が…僕が釣っているのを見て、ここは釣れるのかなと思って竿を入れられたのかもしれません。しかし、、、釣り上がっている人を見てすぐ上に入るとは…。そんなに時間もないので場所替えは考えません。少しでもその方との時間差を作るためにしばし上がるのをやめて留まります。けれど、思うように釣れなかったのでしょうか30分ほどでその方は川を上がりバイクで帰って行かれました。

  

 再度徒渉開始です。やっぱりその方がおられた辺りはアタリが出ません。さっさと上へ上がって足跡がなくなったところから丁寧に攻めてみます。やっぱりポツポツとアタリが出てくれます。時には竿を曲げて少しやりとりをしてタモで掬うというのも出てくれて。おもしろさが増してきましたが、夕暮れ、少し薄暗さを感じたときに崖の上から石ころがざららと落ちてきました。なにやらけものがいるのでしょうか…。ここ木谷地区はクマが出没する危険のあるところです。ほかにも猿や猪も…。もう一度石ころが落ちてきたところで早々に竿をたたみました。山口県内は20cm以下は放流なので高津より型はいいけど半数は放流です。針を飲んでしまったのと塩焼きサイズだけキープして帰りました。短時間でしたが面白い釣りができました。



2009年03月08日

 福川川    12:00〜17:00 15cm〜17cm 4匹

 解禁から一週間後、2度目の釣行。
 前回は遠く紙祖川まで行ったけれど紙祖川での釣果は魚の反応はうれしいものだったけれど、あまりにも魚が小さくて可愛そうな感じがしたので、今回は最近のホームになっている福川川へ行くことにした。こちらは紙祖川の半分の時間で到着し竿が出せる。また、魚影は薄くなるが魚が一回り大きくなるのでキープ率が高くなる。朝もゆっくり起きて朝食を取り、ゆっくり釣り支度をしてからの出発。一回り大きいのが釣れる福川川だがさらに型のいいのを狙っていつも入るポイントよりさらに下へ下ったところを入渓点とする。



 ここは数年前、やはり小型ばかりで嫌気がさしてきた頃に一度入って、そのときは深みのある落ち込みで一発で23cmのいいヤマメが食ってきたという記憶のあるところだ。堰堤周りには実においしそうなポイントが数カ所ある。はやる気を押さえながら仕掛けをセットして第一投。…ところが…アタリがありません。ヤマメどころか外道のカワムツやウグイすらも餌を触ってきてくれません。そんなに釣り人が入るポイントでもないはずです。足跡もゴミも見あたりません。しばらくいいポイントで時間をかけてじっくりと攻め込んでみてましたが、全然反応がないので、方針を変えて次々にポイントを変えていきます。けれど、どこに餌を入れても同じです。魚の反応はありません。時々川渡をするのですがそのときの水中にもなんら魚影が見えません。餌も全く傷みません。こうなると戦意半減です。ずっと川を遡行して探っていくつもりだったのですが、途中で見切りを付けてポイント異動することにしました。
 「下流部に魚は薄いのかな」
ということでぐっと上へ移動しようかとも思ったのですが、古絵堂谷川合流点の下手にある淵場で過去にヤマメがたまっていたことがあったのを思い出しました。解禁からまだ一週間と言うことで「ヤマメがまだ固まっているかも?」なんてことを考えて車を止めました。そ〜〜っと川へ降りて身を潜めて餌を入れます。しかし…こちらも期待を裏切ってくれました。先ほどと同じように全く餌をいらってはくれません。しばらく静かに身を潜めてやっていましたが、ついに切れて立ち上がって川の中をのぞき込みます。でも、前にはヤマメのほかにも多数ウグイやカワムツの魚影が見えたのに、何にも魚影が見えません。
「こりゃ、だめだダメだ。」
でさっさと竿をたたみます。



 そういえば顧みるに今日は本流部に釣り人の姿や駐車してある車が少なかったです。さらに上がっていつも攻めるアタリに入ります。ここは少し上に大きな落ち込みの淵場があり、やはり解禁初期にはヤマメが固まっていて数釣れるところです。手前のポイントから探りながらその淵場へ上っていきますが、ここも…全く餌を触ってくれません。さっさと上り、狙いの淵場へ入りますが…やはりなんにも音沙汰がありません。錘を変え、筋を変えても餌はそのままです。もうがっくりすでに気落ちしてしまいました。
 車に戻ってさらに移動。
「今年の福川川、堰堤下流部は見込み薄かぁ?」
もう時間もあまりありませんから半場あきらめでいつもの好きな場所へ移動します。あまり期待してないのでさっさと一番数の出る段々瀬の下の深い落ち込みに下ります。ここで餌を入れますがやっぱり?何も反応してくれません。いつもなら餌を触ってくれる筋へ入れていきますが全然ダメです。そう〜っと川の中をのぞき込みましたが魚影は確認できませんでした。あきらめて段々瀬の上の瀬へ行きます。筋の脇にできた緩流帯を一つ一つ攻めていきます。やっぱりいいところでは餌を触りに来てくれません。小さなポイントでやっとククンと目印が揺れました。
「あっ?いたかな?」
そ〜〜っと餌をあげて再度投餌しますとクン・ツーと目印が停まりました。軽く手首を返すとグリングリンと手応えがあって、やっと本日の第一号が上がってきました。
「はぁ〜なんとかボウズは逃れられた。」

  

やっぱり型は紙祖川よりはいいです。けれど、そんなにいい型でもありません。ギリギリキープサイズです。それも、次が続きません。一匹来たのでもう少しここにはいるのかもと期待したのですが、その後またアタリは途絶えました。ちゃんと小さなポイントにも餌を入れながら上っていきますが、毎年反応を見せてくれる筋も全く素通りしてしまいます。荒い瀬を越えて早瀬に移ります。ここは型は小さいけれど数がたくさんいるところ…。それでも反応はなかなか出ません。それでも次々にポイントをつぶしていくと忘れた頃にツンツンと反応してくれました。魚は渋くはありません。反応を見せた魚は全部ゲットしました。今日は空振りなしの10割です。それでもいつもは瀬渡をするときにこんなにいるんだ!と思うくらいに魚の逃げる姿が見えるのに今日はそんな姿も全然見えませんでした。この瀬で相手をしてくれたのは3匹だけでした。さらに瀬を上って段々の落ち込みのツボを攻めてみましたがここでも魚は相手をしてくれませんでした。まだシーズンは始まったばかりというのに最近のホームのこの場所がこれでは…ちょっとへこんでしまった今回の釣行でした。

  


2009年03月01日

紙祖川                 13:30〜16:00                 15cm〜18cm   8匹

 今年も渓流が解禁です。3月1日が日曜日ということで解禁日に釣行ができるのです。うれしくて心待ちにしていました。今年はいつもと少し違って「ヤマメが釣りたい。」という思いよりも「川に入りたい。」という思いの方が強かったです。どうしてなのかはわかりません。ひょっとしたら昨シーズンの鮎釣りに悔いを残していたのかもしれません。「早く川へ帰って、一日中川の中に佇みたい。」そんな気持ちを今季のオフはずっと持ち続けていたのです。ところが急に前日の土曜日に職場のスポーツ大会が入り、出場要請。それだけではなく、夜には打ち上げの飲み会だという。自分が役員をしている事もあり、断るわけにも行かず、解禁前日がクタクタになってしまいました。さすがに当日は朝一に出発とは行かず、夜が明けてからの出発となってしまいました。
 さて、本日はここの常連さんのshowさんと匹見で待ち合わせです。釣具屋によって、餌を買って、防府から佐波川を上って峠を越え、福川川を下って柿の木周り、さらに高尻川を上って峠を越えて紙祖川下り。3時間のロングドライブです。長い距離だが、久しぶりに見るホームの佐波川、そして釣り人が忙しく歩き回る福川川、高津本流と川に挨拶して回っている感じでうきうき気分です。福川川も高尻川もそして紙祖川もやっぱり解禁日、しっかりとポイントには釣り人が入っています。それでも入るところがない…というほどの混雑ではありません。日曜解禁でもこの程度なのかな…というぐらいです。紙祖川なんて空いている駐車帯がたくさん見られます。もちろん一級ポイントにはちゃんと人影は見えましたが、思ったより人は少なかったです。



 showさんとの待ち合わせは優雅にレストランでの昼食。少しだけ早く着いたので途中紙祖川の下流部、道路脇から靴をぬらさず竿が出せるところで色気を出して竿をのばしてみます。ところが仕掛けを付けて竿をのばしているときにふわ〜〜っと風が吹いて仕掛けが舞い、からんでしまいました。団子になってしまったので、再度仕掛けを取り付ます。解禁第一投目と気持ちが浮き足立っている証拠です。今度は慎重に仕掛けをセットして第一投。大岩の下にできた落ち込みからのたまり。魚が居てくれたらアタリが出ていいポイントなのですが、残念ながら全く反応はありません。
「やっぱりこの辺りは魚が少ないかぁ。」
毎年の事、あまりヤマメがいないポイントだったけれど、これで今年も例年と川の様子は変わらないことがわかりました。さらに周辺を少しだけ攻めてみたがアタリは出ません。
 さっさと竿をたたんで待ち合わせのレストランへ行きます。到着は待ち合わせ時間の少し前だったけれどshowさんもすでに到着していました。店内で久しぶりの再会に挨拶を交わし、午前中の調子やオフシーズン中の事など弾む会話をしながら食事を済まします。釣りの話をしながらの食事です。ゆっくりとはいきませんね(笑)。さっさと食べ終わって「それでは」ということでポイントに移動します。
 紙祖川は初めてのshowさん、釣り易くて魚が居るポイントへとなるとやっぱりそこはもう午前中に何人も先行者が入っているはずです。でも、解禁日、魚はまだウブでしょう。先行者がいても適当にアタリは出てくれるはずと判断して竿を出すことにします。ポイントに到着。ありがたいことに見通しできる範囲内に他の釣り人の姿は見えません。さっそくshowさんが川へ向かいます。時間差をつけるため、僕は服を着替えて準備を整えてからゆっくり川へ向かいます。車道を一旦ぐ〜と下がって、車を止めた集落の外れから川へ降ります。土手を滑り降りる僕の姿を見てあわてて上の淵へ姿を消していくヤマメの姿がありました。



「おっと、やっぱりこの場所にはヤマメちゃんはいるね。」
魚影を見ることで魚が居ることに確信が持てて、釣ることに安心感を持ちました。入川点すぐのところに大きな落ち込みから続く淵場があります。岩陰に身を潜めてそ〜っと投餌します。残念ながら一発では餌を食ってくれませんでした。きっとかなり攻められた後なのでしょう。それでも幾本かある流れの筋を一本一本さぐっていくと…クリンクリンというアタリが出ました。一年ぶりでも体は覚えているものです。瞬時に体がアワセを入れます。ビビビっと魚信があって姿を見せたのは少し体色に茶色を残した小さなヤマメちゃんです。

  

「おお〜〜今年の初対面。」
と姿をじっくりながめます。
「やっぱりヤマメはきれいだなぁ〜」
とうっとりです。十分に姿を拝ませてもらって、針を外して川へ放流です。
 なんだか試合開始のゴングが鳴ったような感じです。釣りの虫に火が付いたのです。
「あそこの筋で喰ってきたんだからここもいるはず…」
と筋狙いの順番を組み立てて投餌しますと、読んだ通りにアタリが出ます。ただし残念ながら魚が小さい。釣っては放流、釣っては逃がしです。最初に出たキープサイズは17cm。でもこのヤマメ、大きい頭につり合い悪く体が小さく少しやせています。淵場のヤマメはまだ十分には餌がとれて無くてやせているようです。次のキーパーもやせ細い体です。続けて攻めるけど思ったほどはアタリが続きませんでした。



「やっぱり朝から先行者に攻められた後だからかな、、、。」
少しずつ足をすって前方に出て行きますと上からつり下がってきた釣り人の姿が見えました。
「ありゃ!鉢合わせ?」
この鉢合わせはショックですよね。自分がこれから釣っていこうと思うポイントがすでに釣られたばっかりなのですから…。このショックを釣り下がってきた釣り人が持たないようにそ〜っと姿が視界に入らないように少し回り道をしてその釣り人をかわして上に回り込みました。さすがにその人のすぐ上のポイントはヤマメが食ってくる気配が少なかったです。それでも一瀬を上がったらちゃんとアタリが出ました。解禁初期のヤマメが固まって潜んでいる水深のある淵やたまりではそんなにアタリは出ません。その主ポイントをはずした岸際や瀬の尻、馬の背の緩流帯を狙って餌を入れますと「ここは!」と思ったポイントで、はずれることなくヤマメが相手をしてくれます。次々と反応してくれるお魚たちに、先行者がたくさんいたことも忘れてしまいました。やっぱりさすが解禁日ですね。ヤマメの反応がすごくいい。とってもウブな感じです。ただし…ほんとに魚が小さい。レギュラーのサイズは12cmといったところでしょうか。

  

一目見て放流サイズとわかる大きさなのです。釣っては逃がし、釣っては逃がしでびくの中の獲物の数は全然増えません。そして川を吹き抜ける冷たい風が時々強く吹き上げます。道糸0.15号に3号鉛の軽い仕掛けは風に吹き上げられて木に絡んだり、投入時に風邪にしか気を流されて障害物に引っかけたりとトラブルも多く、歩みはゆっくりスピードです。せっかくの解禁日です。やっぱりおみやげはほしいものです。制限ぎりぎりサイズが釣れたらメジャーをのばして計測します。これでぎりぎり15cmを超えたサイズでもびくの中に入れさせてもらいました。釣りながら上へ上へと上りますが流れの速い瀬ではやはりアタリは少なくなります。それでもピンポイントで緩流帯を見抜いて餌を入れたらヤマメはちゃんと釣れてきます。

  

「しまった。これだけ喰ってくるんだったら餌のブドウ虫はもう一巻きえさ箱に入れてくるんだった。」
えさ箱の中には26匹入りブドウ虫の一巻きしか入れてません。餌がなくなってしまいそうです。ポンポン出るヤマメからキープできるのは3匹か4匹に一匹というところです。



釣り上げたヤマメの口の中からそっと餌のブドウ虫をつぶさないように出して針を外します。車を駐車してるところの下までたどり着いたとき、とうとう餌が底をつきました。最後の餌で瀬の脇を流してちびヤマメを追加したとき上の道路に先にあがったshowさんが見えました。それを機に竿をたたみました。
 道路まで上がってみたら、そこには鮎蔵さんもいました。鮎蔵さんとも約半年ぶりの再会です。元気そうな笑顔で挨拶してくださいましたが話を聞いてその笑顔の元がわかりました。初釣りの鮎蔵さん、釣果はなんと15時までで144匹だそうで、やっぱりすご腕です。showさんと3人で、解禁初日のヤマメと川の感想を交流しまたの再会を約束してお別れしました。30匹は釣ったと思うけれど、僕のびくの中はやっとこさキープというサイズのヤマメがなんとか8匹ほど入っていました。





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