| 大竹 宮島の筏 チヌ 7:00〜14:00 25〜40cm 6匹
今年はいろいろとあって、なかなか釣りに出かけられない。そしてついに年末となってしまった。 「これが竿納めだね。」 ということで大竹にタケさんと出かけました。 今回は双方のやりたい釣りを気兼ねなくやろうと、別々の筏に上げてもらうことを希望したのですが、その意向は船頭さんに届いていなかったようで、一つの筏に降りることになった。ここの筏は潮行きが速く、また潮流れが筏と平行で、筏から沖へと払い出すか、もしくは筏の下へ流れ入るかなので、潮に向かっての方向では竿が出しにくく釣りにならないことが多い。けれど、タケさんは長竿フカセ釣り、こちらは短竿ダンゴ釣り、同じ方向に向いて隣同士でやったのでは魚の寄るところが全然違うようになってしまい。思うほどには釣果が上がらない…ということで、双方反対側に釣り座を構えることにし、潮の影響を受けるのが若干少ない僕が潮向かいの西向き、払い出しの東向きにタケさんと別れて釣り開始となった。
釣り座をセットしてダンゴを少しポイント前方に10コ投入して仕掛け、道具をセットする。タケさんとは同じ筏とはいえ釣り座が20mほども離れているので状況は全くわからない。話もなかなかできないのでこちらの釣りに専念する。 準備完了で7時に第一投。でも、魚の反応はなし。 「ここはいつも8時から10時過ぎが時合い。」 と思いながら丁寧にダンゴを打つ。それでも、魚の反応が薄い。ひょっとしたらまだ海の底は夜が明けてない? 「明るくなってからが勝負かも。」
時間が経つのを待っていると、ようやく朝日が弥山の上から顔を出した。きれいな朝日だ。思った通り、周囲が明るくなってからやっと時折竿先を下げる反応が出だした。どうも餌取りはフグだ。穂先がピンピンはねる。そのうち一つ針掛かり。やっぱりフグでした。 「まぁいい。こいつと遊んでいるうちにチヌのやつもやってくるだろう。」 ただ、残念ながら潮行きが速くないけれども手前潮の流れで、餌は筏の下へと流れ込んでしまう。そのため、ダンゴが割れてからの勝負時間が短い。ダンゴうちポイントを潮上にちょい投げて少しでも潮流れによるストローク時間を長くして攻める。繰り返すうちに竿先に出るアタリがはっきりしてきた。 「こりゃ、そのうち合わせられるアタリが出るかも。」 と団子割れの後の集中力を高めて構えるとククーと竿先を押さえた。ガンと竿先を突き上げるとグンと魚の重みが手に感じられた。リールを巻きに掛かるがそれほど重くはなく簡単に上がってきたのは手のひらほどのハナダイだ。
「これでも、手のひらほどならいいお土産。」 とスカリを出して魚を入れる。今日はこのハナダイが結構多いようで次々にハリに乗ってくる。けれど、型が小さい。手のひらを越える型のものはキープするがそれより小さいやつはハリを外して即放流。キープ率は20パーセントほどか。 ハナダイを相手にしている間にすっかり周りは明るくなり、暖かさも感じられてきた。 「そろそろ時合いの時間だが…。」 と期待が高まったときにススーと押さえ込まれた穂先がそのまま止まる。 「よしっ!」 ガンッ!と竿先を突き上げるとゴンと止まる。 「これはいい型。」 とやりとりは慎重に。グイグイ突っ込む力は強いがなんとなく首振りが多い。 「これってひょっとしたら真鯛?」 最近はちょっと鯛釣りに出る機会が増えたので、手応えで少しわかる。きらりと水中で光ったのはやっぱりピンクの真鯛。本命ではないが食べるのはこちらの方が上と丁寧にタモですくい上げる。これは30cmを越えたおいしい外道です。
型の良い魚を掛けると少し魚信は遠のく。そして一投二投三投と入れると再び魚が入る気配がしてきた。 「そろそろおさえるぞ〜。」 と読んだら見事に竿先を押さえてガッツン。これは本命のチヌ。型は足の裏サイズ。
「やっと来たか。これからが本番だね。」 時間も読みの時合いに入っているので爆釣を期待したが、残念ながら魚影はそんなに濃くはないようだ。アタリが続かない。それでも丁寧に打ち返しをしていると十投に一投ぐらいの割合でチヌのアタリが出る。このリズムは適当に飽きが来ないリズムだ。一つ、二つとスカリの中は段々賑やかになっていく。久しぶりに腰を据えて攻める掛かり釣りに2桁釣果を期待したがなかなかそうはうまくいってくれない。四つほど掛けた後、なんだかふわふわした感じが消えた。 「ん?これはひょっとして型の良いのが近づいてきた?」 できるだけハリに餌が残るようオキアミを丁寧にハリにつけ、じっくりと流し込むように攻め方を変えて数投目。ズンズンズ〜ンと竿先が重く押さえ込まれる。 「まだ…まだだ…まだまだ…」 とじっくり待って… 「ここだ!」 と竿を大きく跳ね上がるとガックン!と突き上げた竿が止まる。 「出た。大型!」 グーンと丸く曲がった竿を支えてリールで巻く。二度三度とポンピングしたその時、ふっと軽くなってしまった。 「あっちゃ〜〜?ばらしちゃった?」 仕掛けを回収してみると1.5号のハリスが切れてしまっていた。 「う〜〜ん。ハリスに傷が入っていたか?」 久しぶりの掛かり釣り、必要以上に力を入れすぎてしまったのかもしれません。次の機会に同じような後悔をしたくないので今度はハリスを一回り太くして1.75号に交換します。でも、チヌ釣りはバラしちゃ後が続かないんですよね。今回も他にもなくアタリが遠のいてしまいました。 このアタリストップの間に午前上げ潮の時合いは終わりに近づいてきます。今日の潮止まりは12時半。残る時間は後せいぜい1時間。気持ちは焦る。アタリは出ない。その時、筏の反対側からタケさんが様子を見にやってきました。話を聞く朝からずっと全く餌もとらない状況で、もう手を尽くしてしまったということでした。 「潮も止まってきたのでお昼を食べよう。」 ということでこちらへ来たそうでした。しかし、こちらはまだちょっと思いが残ってます。 「もうちょっと待って。」 と食事をするタケさんを横目に竿先集中です。しかし、潮の流れはたるんできており、一定方向に流れなくなってしまってます。撒き餌下につけ餌がなかなか流れ込んでくれない。 「あ〜今日はもうこれでおしまいか…」 とあきらめが出始めたときにツツーと竿先が入って止まります。すかさず体が反応して竿先を突き上げます。ガツン! 「おっこれはちょっと型が良いかも?」 重さを感じる重量感にゴクンゴクンと首振り。ポンピングしながら糸を巻き上げ何度かの締め込みをうまくこなしてふわ〜っと浮いてきたのは今日一の40cmでした。この一匹でまたアタリが止まり、潮が反転する前にもう一つ足の裏サイズを追加してついに潮変わりしてしまいました。ここで僕も竿を置き昼食とします。 ご飯を食べているうちに潮の流れは全く反対となり、反対に沖へ沖へと餌が流れるようになりました。おまけに変わり潮は流れが速く、ダンゴが割れたらスイーと餌が流れ舞い上がってしまいます。これでは午前中形成したポイントに付け餌は安定しません。仕方がないので新しいポイントを作るつもりでトントンとダンゴを入れていきます。しかし、全く魚の反応は出ません。潮変わりしてタケさんの方はどうかというとタケさんの方は逆に筏の下へと仕掛けが吸い込まれてしまい、釣りにならなくなってしまったと言うことで、タケさんはもう戦意喪失です。 「今日の迎えは14時半」 とは朝の船頭さんの言葉。残り一時間ほどの後半戦は結局アタリが出るところまでいかず、そのまま納竿の時間を迎えました。
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