2011年 釣行記

2011年12月29日
大竹 宮島の筏        チヌ    7:00〜14:00   25〜40cm          6匹

 今年はいろいろとあって、なかなか釣りに出かけられない。そしてついに年末となってしまった。
「これが竿納めだね。」
ということで大竹にタケさんと出かけました。
 今回は双方のやりたい釣りを気兼ねなくやろうと、別々の筏に上げてもらうことを希望したのですが、その意向は船頭さんに届いていなかったようで、一つの筏に降りることになった。ここの筏は潮行きが速く、また潮流れが筏と平行で、筏から沖へと払い出すか、もしくは筏の下へ流れ入るかなので、潮に向かっての方向では竿が出しにくく釣りにならないことが多い。けれど、タケさんは長竿フカセ釣り、こちらは短竿ダンゴ釣り、同じ方向に向いて隣同士でやったのでは魚の寄るところが全然違うようになってしまい。思うほどには釣果が上がらない…ということで、双方反対側に釣り座を構えることにし、潮の影響を受けるのが若干少ない僕が潮向かいの西向き、払い出しの東向きにタケさんと別れて釣り開始となった。

  

 釣り座をセットしてダンゴを少しポイント前方に10コ投入して仕掛け、道具をセットする。タケさんとは同じ筏とはいえ釣り座が20mほども離れているので状況は全くわからない。話もなかなかできないのでこちらの釣りに専念する。
 準備完了で7時に第一投。でも、魚の反応はなし。
「ここはいつも8時から10時過ぎが時合い。」
と思いながら丁寧にダンゴを打つ。それでも、魚の反応が薄い。ひょっとしたらまだ海の底は夜が明けてない?
「明るくなってからが勝負かも。」

  

 時間が経つのを待っていると、ようやく朝日が弥山の上から顔を出した。きれいな朝日だ。思った通り、周囲が明るくなってからやっと時折竿先を下げる反応が出だした。どうも餌取りはフグだ。穂先がピンピンはねる。そのうち一つ針掛かり。やっぱりフグでした。
「まぁいい。こいつと遊んでいるうちにチヌのやつもやってくるだろう。」
ただ、残念ながら潮行きが速くないけれども手前潮の流れで、餌は筏の下へと流れ込んでしまう。そのため、ダンゴが割れてからの勝負時間が短い。ダンゴうちポイントを潮上にちょい投げて少しでも潮流れによるストローク時間を長くして攻める。繰り返すうちに竿先に出るアタリがはっきりしてきた。
「こりゃ、そのうち合わせられるアタリが出るかも。」
と団子割れの後の集中力を高めて構えるとククーと竿先を押さえた。ガンと竿先を突き上げるとグンと魚の重みが手に感じられた。リールを巻きに掛かるがそれほど重くはなく簡単に上がってきたのは手のひらほどのハナダイだ。


「これでも、手のひらほどならいいお土産。」
とスカリを出して魚を入れる。今日はこのハナダイが結構多いようで次々にハリに乗ってくる。けれど、型が小さい。手のひらを越える型のものはキープするがそれより小さいやつはハリを外して即放流。キープ率は20パーセントほどか。
 ハナダイを相手にしている間にすっかり周りは明るくなり、暖かさも感じられてきた。
「そろそろ時合いの時間だが…。」
と期待が高まったときにススーと押さえ込まれた穂先がそのまま止まる。
「よしっ!」
ガンッ!と竿先を突き上げるとゴンと止まる。
「これはいい型。」
とやりとりは慎重に。グイグイ突っ込む力は強いがなんとなく首振りが多い。
「これってひょっとしたら真鯛?」
最近はちょっと鯛釣りに出る機会が増えたので、手応えで少しわかる。きらりと水中で光ったのはやっぱりピンクの真鯛。本命ではないが食べるのはこちらの方が上と丁寧にタモですくい上げる。これは30cmを越えたおいしい外道です。



 型の良い魚を掛けると少し魚信は遠のく。そして一投二投三投と入れると再び魚が入る気配がしてきた。
「そろそろおさえるぞ〜。」
と読んだら見事に竿先を押さえてガッツン。これは本命のチヌ。型は足の裏サイズ。



「やっと来たか。これからが本番だね。」
時間も読みの時合いに入っているので爆釣を期待したが、残念ながら魚影はそんなに濃くはないようだ。アタリが続かない。それでも丁寧に打ち返しをしていると十投に一投ぐらいの割合でチヌのアタリが出る。このリズムは適当に飽きが来ないリズムだ。一つ、二つとスカリの中は段々賑やかになっていく。久しぶりに腰を据えて攻める掛かり釣りに2桁釣果を期待したがなかなかそうはうまくいってくれない。四つほど掛けた後、なんだかふわふわした感じが消えた。
「ん?これはひょっとして型の良いのが近づいてきた?」
できるだけハリに餌が残るようオキアミを丁寧にハリにつけ、じっくりと流し込むように攻め方を変えて数投目。ズンズンズ〜ンと竿先が重く押さえ込まれる。
「まだ…まだだ…まだまだ…」
とじっくり待って…
「ここだ!」
と竿を大きく跳ね上がるとガックン!と突き上げた竿が止まる。
「出た。大型!」
グーンと丸く曲がった竿を支えてリールで巻く。二度三度とポンピングしたその時、ふっと軽くなってしまった。
「あっちゃ〜〜?ばらしちゃった?」
仕掛けを回収してみると1.5号のハリスが切れてしまっていた。
「う〜〜ん。ハリスに傷が入っていたか?」
久しぶりの掛かり釣り、必要以上に力を入れすぎてしまったのかもしれません。次の機会に同じような後悔をしたくないので今度はハリスを一回り太くして1.75号に交換します。でも、チヌ釣りはバラしちゃ後が続かないんですよね。今回も他にもなくアタリが遠のいてしまいました。
 このアタリストップの間に午前上げ潮の時合いは終わりに近づいてきます。今日の潮止まりは12時半。残る時間は後せいぜい1時間。気持ちは焦る。アタリは出ない。その時、筏の反対側からタケさんが様子を見にやってきました。話を聞く朝からずっと全く餌もとらない状況で、もう手を尽くしてしまったということでした。
「潮も止まってきたのでお昼を食べよう。」
ということでこちらへ来たそうでした。しかし、こちらはまだちょっと思いが残ってます。
「もうちょっと待って。」
と食事をするタケさんを横目に竿先集中です。しかし、潮の流れはたるんできており、一定方向に流れなくなってしまってます。撒き餌下につけ餌がなかなか流れ込んでくれない。
「あ〜今日はもうこれでおしまいか…」
とあきらめが出始めたときにツツーと竿先が入って止まります。すかさず体が反応して竿先を突き上げます。ガツン!
「おっこれはちょっと型が良いかも?」
重さを感じる重量感にゴクンゴクンと首振り。ポンピングしながら糸を巻き上げ何度かの締め込みをうまくこなしてふわ〜っと浮いてきたのは今日一の40cmでした。この一匹でまたアタリが止まり、潮が反転する前にもう一つ足の裏サイズを追加してついに潮変わりしてしまいました。ここで僕も竿を置き昼食とします。
 ご飯を食べているうちに潮の流れは全く反対となり、反対に沖へ沖へと餌が流れるようになりました。おまけに変わり潮は流れが速く、ダンゴが割れたらスイーと餌が流れ舞い上がってしまいます。これでは午前中形成したポイントに付け餌は安定しません。仕方がないので新しいポイントを作るつもりでトントンとダンゴを入れていきます。しかし、全く魚の反応は出ません。潮変わりしてタケさんの方はどうかというとタケさんの方は逆に筏の下へと仕掛けが吸い込まれてしまい、釣りにならなくなってしまったと言うことで、タケさんはもう戦意喪失です。
「今日の迎えは14時半」
とは朝の船頭さんの言葉。残り一時間ほどの後半戦は結局アタリが出るところまでいかず、そのまま納竿の時間を迎えました。

  
2011年01月04日
大竹 玖波沖の筏        チヌ    7:00〜14:00   27〜32cm          3匹

 新年明けて初釣りです。初釣りだから験担ぎに楽な船釣りか磯・波止場ふかせに興じようかとも思ったけれど、
やっぱり年末の釣行にまだ未練が残っています。
 「いざ、リベンジに!」とタケさんと二人してやっぱり大竹に出陣と向かいます。あれやこれやと前回の反省をたくさん持って
意気は上がります。正月明けとは言いながらまだ平日でもあるので釣行者は少なく、
「今回もフカセなので浅いところへあげて。」
との注文を快く聞き入れてくださって、船長は前回と同じ棚へ上げてくれました。
 目標は二人共が二桁釣果。撒き餌につられて浮いてきたチヌをばたばたとあげてやることです。前回はタナを底付近と定めて、
やったのが肩すかしを食った敗因だと分析したのです。
「食いが立った時のタナはだいたい5m〜8m」
と言う常連さんの話を聞いたのです。
「まさかこの時期に、しかも筏でそこまでタナが浅いとは思いもよらなかった(このタナの水深は13m〜15m)。」
そこでタケさんは今回は全層仕掛け主体で攻めて早くタナをつかむ作戦を立てたようです。



 筏についたのは前回と同じ夜明け寸前。まだ薄暗い中でめいめいの釣り座を決めて仕掛け作りです。ただし、今回は前回のちょうど裏潮。潮止まりの10:30を境に満ち潮引き潮が正反対です。さて、潮がどう流れるか…少々読みを外した流れでも攻め尽くせるようにとタケさんは足場を決めました。こちらは前回のダンゴの残りもたくさんあるし、やっぱり掛かり釣りが捨てきれないので(^^ゞタケさんから少し離れて筏竿をセットします。前回の残りのダンゴがなくなるまでの少しの間、底でチヌに相手をしてもらい、潮変わりとともにフカセに変えるつもりです。前回と違ってさっさと仕掛けをセットし、早速釣りを開始します。tころが前回と釣り座が変わったこともあってか、竿下に魚の気配はありません。居付きの底魚に遊んでもらえるかと思ったけれど全然です。ダンゴは前回釣行時に作成したまま。冬場は気温も低いので1週間ぐらいなら日に当てなければダンゴは傷んでいません。かえって混ぜものと水分がしっかりなじんで、しっくりしたダンゴになってます。握り具合も割れ具合も最高です。魚を呼んでくるためにどんどんダンゴ投入を繰り返します。1時間ほど空打ちをしたところでようやく少し魚の気配がしてきました。クンと竿先を押さえた餌取り第一号は今回もやっぱり海タナゴでした。けれど、それほど底は騒がしくはありません。ダンゴをつつくでもなく、時々は付け餌もついたままです。
 

「なんとなく今日は魚の活性が低い?」
そう感じたのはタケさんも同じみたいです。タケさんは底を10mに止めて、全層でチヌのタナをはかっていますが、まだ反応はないようです。そうこうしているうちになんとなく竿先がモヤモヤする感じがするので「チヌがいる?」とちょっと集中力を竿先に注いで見つめていると…やっぱりです。竿先がクンクンと押さえられました。その後の押さえ込み&ストップを見計らって竿を空へ突き上げるとガッツ〜ンです。今年の一匹目はクンクンと小気味よく首を振ってくれました。一匹目をバラしたら今日の釣りは終わりと慎重に巻き上げて浮かし、頭を持ち上げてタモですくったのは本日の最長寸の33cmでした。初釣り初獲物を確保してとりあえずふ〜っと一息です。その後はやっぱり小休止、再び魚の気配が消えました。全く不思議ですがここ大竹・宮島はいつも一匹上げたら少し間が空くのです。まあここに来るのがいつも魚の活性が低い冬場だからかも知れません。
 

 再び筏に静かさが戻ったところで今度はタケさんの竿が曲がりました。めいっぱい餌を沈めて流した10mのタナで喰ってきたそうです。思ったように上にはチヌが浮いてこない感じのようです。とりあえず初釣りのチヌは二人ともボウズは逃れました。このあと1時間ほど静寂なときが流れ、1時間後、もう団子が底をつくというころになってやっとこちらに二つ目のチヌが来ました。もう少し掛かり釣りを続けたい気がしますが、団子もなくなり、そろそろ潮変わりでもあるので、道具をたたんでこちらもフカセ仕掛けに変えます。ここまででもう3時間が経過。
「う〜〜ん、思ったようにはいかないね。」
と二人とも顔が難しくなります。私の方もフカセの撒き餌をこさえて、タケさんの撒き餌筋に撒き餌を乗せます。
「いったいチヌのタナはどこにある?」
私は4Bナマリの移動仕掛け、タケさんは朝からの全層仕掛け、
「どっちかがチヌを捕らえたらそのタナに合わせよう」
と言いながらいろんなタナを攻めますがうまくとらえられません。潮が変わって再度流れ始めたときにタケさんが竿を曲げました。タナはやはり10mということでした。しかし、アタリが続くわけでもなく、また、この日は思ったほど潮の流れがなく、餌を流しきれません。なんとかリベンジをと攻めの気持ちはゆるめません。昼食も釣りながらのさっさ食べにして浮きを見つめますが、私の方には全く浮きに反応は出ません。昼を過ぎて
「残り時間は後1時間!」
今日は人が少なかったからか船長から言われた迎えの時間は14:30。道具を片付けることを考えると14時には竿を上げないといけません。「さぁ、最後の気合いだ。」
と気持ちを入れ替えて浮きを見ます。日が高くなり、魚が浮いたかと浮き下をグンと浅くしたり、徐々に下げたりと探りますが、チヌはとらえられません。コクコクと時間は過ぎていき、ついにタイムアップ寸前。粘りもあきらめに変わってしまいました。広げた道具を少しずつまとめていく間、思い切って浮き下を底付けにし、掛かり釣りの団子を入れていたところに仕掛けを入れてみました。他の道具を全部片付け終わって後は私の仕掛けだけ…となった時、どうも浮きがジビジビと反応しています。
「ん?ひょっとしたら喰う?」
置き竿を手に取り構えます。しばらくたってすすす〜っと浮きが入りました。最後のワンチャンスとしっかり浮きが入りきって水中でとまったところでグンと合わせるとガキンと掛かりました。魚は小さく簡単にクルリンと上がってきました。どうも今回は前回の反省に立ってタナを浅めに設定して攻め通したのですが、今回はこのポイントではチヌの活性が低く、魚は底付近から浮かなかった…というのが振り返ってみての状況だったようです。



「返り討ちに遭ってしまった…。」
やられた〜〜とショック大きく、肩を落として帰りました。
 いえ、初釣りでちゃんと二人ともボウズ逃れて複数の釣果を上げてはいるのです。とりあえず初釣りとしては合格なのです。が…やはりここ大竹では8匹以上はあげないと合格点にはならないのです。この日も宮島や阿多田島の磯、玖波港一文字に渡った人たちはみんな2桁釣り釣果で好漁だったみたいです。


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